掛布DC明言!優勝のカギは若手の成長
阪神の掛布雅之DC(58)が19日、千葉市内のスポーツオーソリティ幕張新都心店で行われた「美津和タイガー」のイベントに出席した。トークショーで「現時点での優勝予想は巨人」と明言。それを覆すために若手の力が必要と力説した。さらに刺激を受けるベテランとの競争を『一番の補強』とし、チーム一丸で打倒巨人を果たすことを誓った。
2位の阪神に12・5ゲーム差をつけて独走しても、巨人はこのオフ、補強の手を緩めなかった。リーグ連覇を成し遂げた経験は、今年も大きなアドバンテージになる。現状を冷静に見据えた掛布DCは「今、優勝予想をしろと言われれば、間違いなく巨人」と言い切った。
ただし、野球は必ず強者が勝つとは限らない。圧倒的に下馬評が高くても下位に沈むケースは、長い歴史の中で何度もあった。虎が巨人を倒すためには何が必要か。そのビジョンを問われた掛布DCは「やっぱり若い力ですよ」と力を込める。
昨年11月の秋季キャンプで現場復帰。そこで若手の力を体感した。「こんな素質を持った子がいたんだと。若い力は巨人よりも阪神がリードしている。その若い力が阪神を引っ張って行ければ、打倒巨人ができると思う」と打ち明けた。さらに若手の成長がもたらすのはベテランとの競争だ。昨季は鳥谷、西岡、マートンらレギュラー陣の座を脅かす若手が一人もいなかった。
若手の成長は単にチームとしての結果だけでなく、内部競争という相乗効果をもたらす。主力、特にベテランの尻に火が付くことでより一層の奮起を促すことになる。「競争の中のレベルアップが一番の補強」と話した。
一方で不安要素についても口にした。経験の少ない若手にとって、2月は開幕1軍へサバイバルの意識が強くなりすぎる。すると「どうしても空回りするんだよね。鳥谷がいて、それと同じことをやろうとしちゃう」。
チームの世代別構成を見渡すと、30代前後の中間層が薄い。若手の目標がいきなりトップクラスとなると、ミスを恐れるばかりに萎縮して自滅するパターンに陥りやすい。
だからこそ若手に対して「とにかく落ち着いてやれよと。自分がやれることを徹底してやる。それ以上は、やろうとしないこと!」。鳴尾浜を視察した際にも緒方らにこう伝えていた。若手の育成と台頭が打倒巨人のキーワード。現場全体が育つ雰囲気をつくっていかなければならない。