「オ・スン会」で若虎を韓流おもてなし
阪神の呉昇桓(オ・スンファン)投手(31)が24日、キャンプ地の沖縄に入った。25日から自主トレを再開する新守護神候補は、先乗り自主トレ組の藤浪晋太郎投手(19)ら若手との会食を熱望。「オ・スン会」で若トラを韓流でおもてなしし、経験などを伝えると同時にチームにとけ込んでいく意向だ。
気温20度。澄んだ青空に迎えられ、虎の新守護神候補が沖縄に上陸した。黒いスーツに球団仕様の黄色いネクタイを身につけた呉昇桓。約1カ月の米・グアム自主トレを終えて日焼けした顔は、自信に満ちあふれていた。
「グアムでは、やるべきことはやってきた。シーズンまでにまだ時間があるので、(沖縄で)足りないところを埋めていきたい」
炎天下のグアムでは6時間超のトレーニングを敢行し、体力づくりに励んだ。26日に沖縄入りする先乗り自主トレ組よりも、ひと足早く沖縄入りするほど気合がみなぎっている。呉昇桓が2月1日のキャンプインまでに補う「足りないもの」。その一つがコミュニケーションだ。
どれだけチームにとけ込めるかも、新天地で成功を収めるカギとなる。「先輩にはおごってもらいたいです」と冗談交じりに話しながら、「後輩たちの時間さえよければ、いつでもごちそうしてあげたいと思います」と笑顔で話した。
韓国でも後輩を引き連れて、よくテーブルを囲んだという。面倒見の良さを日本でも発揮していく。さらに、韓国・サムスン時代も含めて、沖縄キャンプは今年で10年目。阪神は初めてのチームだが、沖縄は勝手知ったる庭だ。穴場スポットに藤浪ら若虎を連れて行き、野球談議に花を咲かせることも可能だ。
当然、ブルペンでも惜しみなく自分の技術を伝えていく。後輩には未来の守護神候補・松田もいる。『石直球』の秘密や、韓国最強クローザーの心得など「聞かれれば何でも話していこうと思う」
グアムから一度、韓国に戻り、大阪へ、そして沖縄へ入った。3日連続の長距離移動のため、この日はホテルで静養。それでも、那覇空港では関西から来た修学旅行生の団体に囲まれて笑顔を見せ、虎党のサインの求めにも応じた。
全てはチームのため、ファンのため‐。新参の呉昇桓が自ら引っ張り、新天地で最強投手陣をつくり上げる。