鳥谷2位予想も「何とか覆して1位に」
開幕前に白旗!?阪神の鳥谷敬内野手(32)が27日、大阪市の大阪市立大学付属病院の小児科を訪問した。子供から今季の予想順位を聞かれると「1位、巨人」と返答してブーイングを浴びたが、締めのあいさつでは優勝を誓った。巨人との開幕カード(3月28~30日、東京ドーム)でダッシュを決めて、優勝まで突っ走る。
和やかな雰囲気が一変した。交流会での質問コーナー。予想順位を聞かれた鳥谷は、しばらく悩んだ後、静かに切り出した。
「うーん…。1位・巨人…。2位・阪神」
誰もが想定外の返答だった。子供だけではなく、後方で見つめていた病院関係者までが、間髪入れずに声をそろえた。
「え~っ!!」
フロアに響き渡るブーイング。クールな男もさすがに苦笑いだった。ただ、白旗を揚げたわけではない。
「自分が阪神の選手というのは関係なく、予想しただけなんで…。先発の数がそろっているし、巨人が強いのはどのチームも分かっていると思う」と客観的な意見であることを強調した。もちろん9年ぶりのリーグ優勝は諦めていない。
「自分たちの力で覆すシーズンにしたい。それ(戦力)だけじゃ順位は決まらない。チーム全体でぶつかっていきたい」
強大な戦力に競り勝つためには、全員で一丸となるしかない。交流会の途中にはサプライズで白衣を着用し、歓声を浴びた背番号1。2月1日から始まる春季キャンプで“鳥谷先生”となり、若手の底上げに一役買う。
宜野座キャンプのメンバーは西田、中谷、緒方ら若手野手が多い。「ある程度、年齢がいっているし、聞かれれば何でも答える。勝つためには、若い選手の力が絶対に必要になる。手助けができれば」。昨季は終盤に失速。同じ失敗を繰り返さないためにも経験を還元していく。
その成果は、開幕カードからぶつけるつもりだ。「今年の阪神は違うな、というのを見せたい」と開幕ダッシュを優勝のカギに挙げた。
交流会の最後は「さっきは2位と言いましたけど、何とか覆して1位になれるように頑張ります」と締めくくった主将。その表情は本気だった。