呉昇桓「ヒョン」と呼んでほしい!

 「ヒョン」と呼んで‐。阪神・呉昇桓(オ・スンファン)投手(31)が27日、沖縄の宜野座村野球場でスタートした先乗り自主トレに合流した。練習前にはチームメートにあいさつ。後輩には、韓国語で“アニキ”という意味にあたる「ヒョンと呼んでほしい」とリクエスト。初日から接しやすい環境をつくる心遣いをみせた。

 海を渡り、異国の地で新たなスタート切る呉昇桓。言葉が通じない仲間を迎え入れる阪神の若手選手。お互い緊張感を持ちながらの初対面。張り詰めた空気を、和やかにしたのは新守護神の気遣いだった。

 伊藤トレーナーから呉昇桓の呼び名について、選手一同に説明された。「呉昇桓のことを、年下の選手は『ヒョン』と呼んであげてください」

 「ヒョン」とは韓国語で、男性が男性の先輩を呼ぶときに使う。日本語に訳すと「兄」。“アニキ”の意味合いが強い。呉昇桓は後輩選手に、親しみを込めて「ヒョン」と呼ばれることを希望。球場入りして山本スカウトらと話し合い、自ら決めたという。

 「『ヒョン』と(後輩に)呼ばれることで、もっと話しやすくなる。日本と韓国では、呼び名で微妙なところがある。呼び名を一つにまとめることで、聞きたいことが聞きやすくなると思う」

 韓国は、日本に比べて上下関係に厳しい。文化の違いから、ささいなことで両者の関係に狂いが生じる可能性もある。不安要素を事前に取り除き、交流を円滑に進める。それは「石仏」と称されるアニキがみせた「仏の気遣い」だ。

 この日、全体練習に合流したのはウオーミングアップのみ。メーン球場ではあいさつや、簡単な会話程度だった。選手の名前を覚えるのは「これから」としたが、知っている後輩を問われて「イマナリ」と答えた。「僕のモノマネをすると新聞で読んだので」と、情報収集も着実に進んでいるようだ。

 先乗りメンバーで呉昇桓より年上は、能見と筒井のみ。2人のことは日本語で「アニキ呼びます」と、はにかんだ。「能見アニキ」、「筒井アニキ」と、先輩にも積極的にコミュニケーションを取っていくつもりでいる。

 「きょうから正式に、みなさんと一緒にやることになったので、よろしくお願いします」。練習前、チームメートにあいさつした呉昇桓アニキ。虎に溶け込むのは、あっという間だ。

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