呉昇桓に言葉の壁…投内連係でミスミス
「阪神春季キャンプ」(8日、宜野座)
新外国人の呉昇桓投手(31)が8日、初めて投内連係に参加し、思わぬ“弱点”が露呈した。日本語が通じないため指示が分からず、2度のやり直し。しかし、その後は修正能力も見せた。
新守護神に“言葉の壁”が立ちはだかった。「指示が分からなかった」。呉昇桓が状況を設定した投内連係で、日本語が理解できずに2度もミス。「石仏」と称される表情は変わらなくても、ぼう然とマウンドに立つ姿に戸惑いが表れた。
1度目のミスは無死二塁。真正面への投ゴロを処理した後、捕手・藤井は三塁へ送球を指示する声を出した。しかし、呉昇桓は一度、三塁を見ると、一塁へ送球した。
続く1死一、三塁では投手前へのスクイズを処理。本来なら捕手へグラブトスする打球だったため、捕手・清水は「ホーム!」と本塁への送球を要求した。だが、新助っ投は言葉の意味が分からずに、またも一塁へ送球してしまった。
7日には初めてブルペン入りし、圧巻の投球を披露して話題をさらった右腕が、思わぬ場面で再び注目を浴びた。
それでも失敗後は、三塁ファウルグラウンドで順番待ちをする間に、中西投手コーチ、通訳と指示の言葉などを確認。投内連係の後半は、けん制やバント処理をそつなくこなした。
10年に韓国・ハンファでコーチ経験があり、この日の練習でもアドバイスを送った高代内野守備走塁コーチは、「俺が韓国に行ってすぐ韓国語が分かったように、(日本語は)すぐ覚えられる。すぐに慣れるよ」と心配した様子はなかった。
「自分も、もっとコミュニケーションを取りながらやっていこうと思う」と同じ失敗を繰り返さないことを約束した新守護神。投内連係後には、室内練習場で藤井と日韓の野球の違いについて話し込むなど、早くも問題解決に取り組んだ。すでに“弱点”克服へ糸口はつかんでいるようだ。