呉昇桓の投球フォームが“審議対象”に
「阪神春季キャンプ」(9日、宜野座)
阪神の新外国人・呉昇桓(オ・スンファン)投手の投球フォームが“審議対象”となっていることが9日、明らかになった。この日、宜野座キャンプで球団と審判団が日韓の投球フォームに対する見解を交換した。呉昇桓が着地時に見せる左足の動きが議題に上がったことは確実で今後、セーフかアウトかの結論が伝えられる。
独特のフォームに“待った”がかかるかもしれない。キャンプの話題をさらう呉昇桓が、審判にまで注目されてしまった。
球団と話し合いの場を持った友寄正人審判長は「投球動作が『ちょっとどうなんだろう』という話があったので話し合いを持った。韓国では許されていたようだけど、日本ではこういう解釈です、ということを伝えた。きょうは最終的にダメ、いいよ、という話ではない」と話した。
議題に上がった箇所は明らかにされなかった。だが、呉昇桓と他の投手の違いは、踏み出した左足が着地寸前でもう一度、前へ出る動きしかない。2段モーションとして見られかねない特徴について、意見交換が行われたようだ。
中西投手コーチは「こちらとしては世界大会で問題ないということだったけど、審判としては検討するということだった」。結論は先送りされているため再度、両者が話し合いをする可能性は高い。
審判団は、実戦登板までに見解が出れば球団に伝える方針だ。井野修参与・野球規則委員は「(ダメとなった場合は)日本でやる場合は、適応してもらわないといかがなものかと思う。監督やコーチとも話して、いい方向に持っていければ」と話した。
呉昇桓はこの日、2度目のブルペン入り。捕手を座らせ、ノーワインドアップから54球を投げた。藤井にも21球を受けてもらった。
投球フォームの意見交換については「何も聞いていない。分からない」とだけ話し、足早に球場を去った。
違反とみなされれば、7日の初ブルペンで他球団のスコアラーが「タイミングが取りづらそう」と声をそろえた特徴が、消えてしまう可能性もある。
◆野球規則八・〇一(a)ワインドアップポジション
投手は、打者に面して立ち、その軸足は投手板に触れて置き、他の足の置き場所には制限がない。この姿勢から、投手は、打者への投球に関する動作を起こしたならば、中途で止めたり、変更したりしないで、その投球を完了しなければならない。(以上、野球規則から抜粋)