ドラ1岩貞初フリーで快投!1軍合流へ
「阪神2軍春季キャンプ」(10日、安芸)
ドラフト1位・岩貞祐太投手(22)=横浜商大=が初めてフリー打撃に登板した。関本、陽川に53球を投げて、安打性2本に抑えた。報告を受けた黒田正宏ヘッドコーチ(66)は、12日にも沖縄・宜野座キャンプに合流することを示唆した。
ドラ1左腕がベテランをうならせた。岩貞がプロで初めて対峙(たいじ)したのは、18年目の関本。「ケージに入られたのを見て、『最初が関本さんか』と思いました」とルーキーらしい心境を明かした。だが、萎縮したのはほんの一瞬。すぐに戦闘モードに入った。
「いい当たりをされたくないので、全部抑えにいこうと。コースによって、どこまでフルスイングされるのかを見たかった。ずっと(捕手に)内角に構えてもらいました」
7割程度の力ながら、ベテランの懐を大胆にえぐった。13球目に内角低めで体勢を崩させてファウルを打たせる。続けてインコースを突いた。カット気味に食い込む直球。関本は左翼方向へファウルを放ったが、「お~っ」とのけぞり、驚きの声を上げた。
関本は打ちづらさを感じたという。「真っすぐがよく動いていた。回転がにごっている。岩田(の直球)に似ていると思う」。縫い目に3本指をかける岩貞独特の握り。ベテラン打者が目を見張るほど「動く直球」の威力は十分だった。
24球目の真ん中高め直球を、左翼スタンドに放り込まれた。岩貞はプロの技術に「さすがです」と脱帽。それでも28球を投じて安打性は2本のみ。続く陽川にはカーブ、スライダーも試して、25球中、安打性ゼロ。「落ちるキレがすごくて打ちづらかった」と同期をねじ伏せた。
内容を聞いた沖縄の黒田ヘッドコーチは「良かったみたいやな。(昇格は)あしたの楽しみや」と話した。上々の“初登板”を飾ったドラ1左腕は「背伸びする必要はないと思います。安芸でも沖縄でもやることは変わらないので」ときっぱり。確かな手応えとともに、堂々と沖縄に上陸する。