V使者へ!ゴメス自信満々の来日
阪神の新外国人マウロ・ゴメス内野手(29)=ナショナルズ=が10日、パリ経由で来日。沖縄県読谷村内のチーム宿舎で入団会見を行った。1月末に誕生した第1子が体調不良のため、来日が延期されていたが、「シーズンが大事」ときっぱり。「4番・一塁」に自信をみなぎらせ、チャンピオン奪取を誓った。ゴメスは11日にキャンプに合流し、新井貴浩内野手(37)と一塁の定位置を争う。
ゴメスが強風の沖縄に上陸した。車窓に揺れるサトウキビ畑を眺め、故郷の家族を思った。「遠いところにやってきたな…」。母国ドミニカ共和国からパリ経由で約24時間。長旅の疲れを見せず、夕方6時から行われた入団会見で背番号5の縦じまに袖を通した。わき上がる感情を物静かな口調で語った。
「ついに日本に来られてうれしい。家族も元気。子どもも元気になった。あとは野球に集中するだけ。早く野球をやりたいよ」
長女の体調不良で6日予定だった来日は延期され、合流が大幅にずれ込む可能性もあったが、「何よりシーズンが大事。一生懸命練習して、2日くらいあれば体調は戻る」と宣言。出遅れが最小限にとどまったことで、本人に不安感はない。
レッドソックス傘下3Aに所属していた昨季は110試合に出場し、打率・249、29本塁打を記録。マイナーでは最近3シーズンで77本塁打、3年連続20本塁打を突破した。期待されるのは「4番」としての爆発だ。
「7~8年、プロで野球をやってきて、ずっと4番を打ってきた。4番として結果を残してきたと思っている。4番という打順はそんなに気にならない」
オランダ領キュラソー出身のヤクルト・バレンティン、ドミニカ共和国出身のDeNA・ブランコや中日・ルナら中南米出身の助っ人が大活躍しているだけに、日本で潜在能力が開花する可能性は十分。ルナからは「変化球を準備できれば成功できる」と対策を伝授され、「変化球に対して自分のタイミングで打てるかが大事」と、課題も明確にした。
「守備は過去6年間ずっと一塁。一塁が心地いいんだ」と、にやり。「4番一塁」を任せてくれ!と言わんばかり。分厚い胸板をつきだし、定位置獲得に自信をみなぎらせた。 「パワーヒッターの仕事は大きいのを打つこと。チャンピオンを取ることだけが僕のゴールなんだ」。Vの使者になれるか。沖縄の空へ向け、ゴメスの怪力がうなりを上げる日も近い。