ゴメス豪快スイング!他球団007絶賛
「阪神春季キャンプ」(11日、宜野座)
10日夜に来日した新外国人マウロ・ゴメス内野手(29=ナショナルズ)が11日、宜野座キャンプに合流。フリー打撃を披露した。1月末に誕生した第1子の体調不良で来日が延期されたが、調整遅れの不安を払拭(ふっしょく)するスイングに、中日のスコアラーは「バレンティンみたい」と最上級の評価。時差ボケにしては豪快な「あいさつ」で他球団007をうならせた。
新助っ人が“本塁打”を連発した。フリー打撃の40球目。やや高めに浮いた直球をたたくと、快音を残した弾道が打撃投手を務めたオマリー打撃コーチ補佐の後方、ネット最上部をど派手に揺らした。「最後はホームランだろ!ベリーグッド!だよ」。ゴメスが自画自賛の豪快弾で、デモンストレーションを終えた。
ドーム内でチームメートにあいさつし、ウオーミングアップを開始。キャッチボール、ノックをこなした後、来日初の打撃練習に臨んだ。ケージ後方に和田監督以下首脳陣と南球団社長、中村GM、高野球団本部長。さらに吉田義男氏、藤田平氏、金本知憲氏、桧山進次郎氏、張本勲氏ら球界OBがズラリと並ぶ中、豪快かつシュアなスイングを披露した。
40スイング中、打球の角度、軌道から推定された本塁打は19本。ラスト1球は「サヨナラの場面を想定しよう」とオマリーコーチ補佐が真剣勝負に挑んだが、「カレが満塁ホームラン打ったネ。僕のサヨナラ負け」と脱帽。推定19発中8本を左方向へ引っ張り、11本を中堅から右へ、広角に打ち分ける技術に「マートンのようにセンターから右に打てる打者が日本で成功する」と、太鼓判を押した。
偵察した各球団のスコアラー陣の評価も上々だ。中日の井本スコアラーは「柔らかさがあるからうまく逆方向へも打ち返せる。スタイル的にはバレンティンに似たような感じ。あれだけの体をしているし、間違えれば全部スタンドに持って行かれるよ」と絶賛。和田監督も「室内だったけど、これはいったなという打球が何本もあった」とほおを緩めた。
「広角に打てるのが僕のスタイル。それを日本でもできるようにしたいな」。力と技を備えた新助っ人が実力の一端をのぞかせた。
「パカイエをたくさん見たいよ」。オマリーコーチは「本塁打」を意味するというスペイン語を使って期待を込めた。24時間を超える長旅からの一夜明け。ゴメスは「眠れた感じがしないんだ」と目をこすったが、時差ぼけの合流初日としては、十分な期待感を抱かせた。