掛布チルド 森田、今成が連打ァ~
「練習試合、阪神15‐6楽天」(19日、宜野座)
星野楽天を相手に「掛布MVP」コンビが輝いた。阪神の森田一成内野手(24)と今成亮太捕手(26)が19日、楽天戦(練習試合)で大暴れ。15点大勝で飾った14年度初勝利の主役を張った。掛布雅之DC(58)がキャンプ第3クールのMVPに挙げた森田と今成が「本物」になれば、チーム力は格段にアップする。
ベンチで眉間にシワを寄せていた楽天・星野監督の視界から、大飛球が消えた。五回。先頭大和が右中間二塁打で口火を切った猛攻が止まらない。一挙8点を奪い、なお走者を2人置いて、森田がこの回2度目の打席を迎えた。永井の外寄り速球をとらえると、打球はセンターバックスクリーンの左へ。プロ7年目、24歳の大砲候補が今キャンプ1号アーチで13点目のホームを踏み、大勝劇で飾った14年度初勝利の主役を演じた。
三回の第2打席で右前打を放ち、五回の第3打席は投手を強襲する2点適時打。3安打5打点は文句の付けようがない結果だが、森田の成長の証しは、それでも反省の弁をつづったところ。「監督から2打席目は(打球を)上げて欲しかったと言われたんですけど、甘い球だったので、僕もそう思いました」。同打席は永井の浮いたカーブを引っぱたいてライナーで右翼へ運んだが、安打じゃダメ!スタンドまで運ぶべき打席だったと、悔しがった。
森田にとって楽天戦は特別な試合。同郷岡山出身の星野監督が阪神SD時代、07年の高校生ドラフトで獲得を強く推薦し、プロの道を歩み始めた。闘将に成長した姿を見せることが恩返しになると感じているだけに、気持ちも乗ったはずだ。
16日のDeNA戦(宜野湾)を視察した掛布DCは、第3クールのMVPに森田と今成の名前を挙げて安芸へ戻った。この日は昨季日本一の楽天を相手にその両輪がフル回転。今成も先制三塁打を含む2安打1打点と好調をキープし、これで紅白戦1試合を含む実戦4試合で15打数7安打(打率・467)、1本塁打。こちらも掛布MVPの名に恥じない輝きを放っている。
「結果は欲しいけど、結果ばかりを欲しがらずに、いいスイングをした結果がヒットになればいいと思っています」と今成。おごらず冷静に語るところに、期待感を抱かせる。
2人の活躍を安芸で聞いた掛布DCは「(今成と森田は)最終的なところまで戦力としていくんじゃないかな」と、頬を緩ませた。掛布チルドレンの躍動が和田監督を悩ませられれば、虎の戦力層はどんどん分厚くなる。