藤浪圧巻の今年初登板!堂々の2回0封
「阪神紅白戦、白組3‐10紅組」(20日、宜野座)
藤浪晋太郎投手(19)が20日、紅白戦(宜野座)で今キャンプで実戦初登板した。予定の2イニングを2安打無失点。直球は最速150キロを計測するなど計4三振を奪った。先発3本柱の一角として計算される右腕が、2年目の進化を証明した。
スタンドから、思わず感嘆の声が漏れた。藤浪が、実戦初登板。約1足分改善されたインステップ幅が進化の証明だ。宜野座のマウンドに、確かな成長の跡を残した。
「甘い球もありましたけど、しっかり投げられたと思います。(インステップは)ブルペンでも投げられていたので、感触としては悪くなかったです」
2‐1の三回。拍手に迎えられ、小走りでマウンドに上がった。先頭の柴田には、手探りのまま、フルカウントから四球。黒瀬には三遊間を破られ、無死一、二塁のピンチを招く。それでも慌てない。ポーカーフェースのまま、一気にギアを上げた。
好調の緒方を簡単に追い込むと、低めのカットボールで空振り三振に。続く俊介には外角高めの149キロで空を斬らせた。さらに、実力者・今成もフルカウントからアウトローへの直球で空振り三振に仕留めた。圧巻の3者連続Kでスコアボードにゼロをともした。
「ピンチだったので。三振が取れたのは良かったです」
四回もまったく危なげなかった。先頭の新井に、この日の最速、150キロ直球を右前にはじき返されたが、藤井を宝刀カットボールで空振り三振。続く大阪桐蔭の先輩・西田の打席では、ブルペンで練習中の外角のボールからストライクゾーンに食い込む「バックドア」を試す余裕も。結局スライダーで、狙い通りの遊ゴロ併殺打。グラブで軽く手をたたくと、涼しい顔でベンチに戻った。
圧巻の30球だった。ネット裏で投球を見つめた他球団の007は警戒を強めた。巨人・森中スコアラーが「順調にきているね。直球に威力があるからカットボールも効いてくる」と言うと、広島の井生スコアラーは「左バッターの内角に、しっかり投げられていた」とうなずいた。
課題のインステップは3足半から2足半に改善された。中西投手コーチは「腕を振れるようになっている。レベルは上がっている」と納得の表情。和田監督も「この時期としては合格」と絶賛した。藤浪に2年目のジンクスはない‐。この日、見守った誰もがそう確信したはずだ。