「オープン戦、ソフトバンク６─０阪神」（５日、ヤフオク）

　スマートなイメージはまったくなかった。先発のときとは違い、荒々しく、腕を振って打者に向かっていった。中継ぎに転向して以降、初の実戦マウンドに上がった阪神・岩本。１回無失点、２奪三振の結果に和田監督も「使える感じを受けた」と手応えを感じた様子だ。

　メッセンジャーの後を受け、１点ビハインドの四回からマウンドに上がった。先頭は李大浩。いきなり強打者が相手だったが、最速１４２キロの直球でファウルを奪いカウントを整えると、最後はフォークで空振り三振。続く長谷川には粘られながらも中飛に仕留めた。

　最後は明石をカウント１‐２から投じた１２８キロのカットボールで空振り三振。ソフトバンク打線の中軸を相手にしっかりと持ち味を発揮し「まっすぐで目いっぱい腕が振れているから（フォークで）空振りを取れたんだと思います」と納得の表情を浮かべる。

　本来の持ち味であるコーナーワークに加え、リリーフに転向したことで腕が振れるようになった。１４０キロを超えなかった球速も最速１４２キロまで伸びた。「１イニングだと球のスピード、キレが増している。腕も振れている」。こう指揮官が評すように、先発時とは違う印象を首脳陣に植え付けた。

　ただ本人はしっかり課題も理解している。「これを続けていかないと。積み重ねです。１イニングをしっかり抑えていければ」と表情を引き締めた。

　たとえ１試合を抑えたとしても、次戦で打たれれば一気に評価を落とすのが中継ぎ。シーズンの連戦の中でどれだけ数字を残せるか、連投も入ってくる中で結果を出し続けられるか‐。まだ完全な救援投手とは言えないが、確かな可能性を秘めていることは間違いない。