呉昇桓、初3人斬り!見せた「石直球」
「オープン戦、阪神4-6広島」(12日、甲子園)
阪神の守護神・呉昇桓投手(31)が12日、広島戦の九回から登板し、1回を無安打無失点に抑えた。直球の最速は151キロを計測。初の三者凡退に打ち取り、初対戦したセ・リーグのチームをびびらせた。広島の打者は初めて見る「石直球」に驚がくした。
「石直球」に聖地がどよめいた。最終回、呉昇桓が前回8日は使わなかったリリーフカーに初めて乗って登場。オープン戦3戦目で初対戦したセ・リーグのチーム相手に、「石仏」の本領を発揮した。
先頭打者は7年目の安部。独特のモーションから繰り出された初球は143キロ直球だ。ファウルを奪うと2球目のカットボールで、一ゴロに打ち取った。続く長距離砲の岩本は1ボールから、内角に食い込む直球で圧倒。浜風に乗った飛球を今成が三塁フェンス際で好捕し、リズムよく2アウトを奪った。
圧巻は小窪への投球だった。寒風切り裂く直球で連続の空振りを奪う。辛うじてファウルされた4球目は、この日最速の151キロ。最後は直球を外角低めにズバッと決め、見逃し三振に斬った。わずか9球で三者凡退。任務を遂行した石仏は、涼しい顔でベンチに戻った。
「徐々に良くなっていかないといけない。シーズン中もあのボールをたくさん投げられるようにしないと」
対戦した広島の打者は初めて体感した石直球にお手上げだった。岩本が「タイミングが取りづらい。普通の投手よりやりづらい」と言うと小窪も「足の動きが独特でまっすぐが速い」と舌を巻いた。
リリーフカーの乗り心地は「良かった」と満足そうな表情。春の訪れとともに呉昇桓のギアが上がってきた。