坂井オーナー危機感…和田虎を公開説教
虎の総帥が熱い“公開説教”だ!阪神タイガース激励会が12日、大阪市内のホテルで開催された。冒頭のあいさつに立った坂井信也オーナー(66)は、オープン戦で調子の上がらない猛虎軍団へ「調整が遅れているのではないか」と苦言を呈した。来るシーズンへの危機感を口にし、チームを激しく鼓舞した。
総帥が熱くなった!!壇上に立った坂井オーナーが「激励会のときに言うような言葉ではないのですが…」と切り出した瞬間、会場の空気が一気に張り詰める。続いて口をついて出たのは、低迷する猛虎への痛切な言葉だ。
「非常に危機感を持っている。心配を募らせている。オープン戦は勝敗を度外視しての各自の調整。その辺は十分理解しているが、それにしても各チームに比べてかなり調整というものが遅れているのではないか」
ここまでオープン戦は1勝8敗1分け。オーナーが観戦したこの日の試合でも、広島に敗戦。9年ぶりVを目指すはずの猛虎の惨状に、総帥も苦言を呈さずにいられなかった。脳裏をよぎるのは、昨季後半の大失速だ。
「去年、非常に悔しい思いをした課題。取られていかんところで点を取られる。取るべきところで点を取れない。去年の雰囲気を、まだ払しょくしきれずに持っているというところに、私は非常に危機感を感じている」
若手の奮起もあり打線は上向いてきている。ただ広島戦後に和田監督が「取れるときに点が取れていないので、試合展開が重い」と話すように、理想の状態には至っていない。
阪神同様に、各球団もオフに補強を進めてきた。去年の2位躍進は『過去』としなければいけない。坂井オーナーも「去年が2位であることを本当に忘れなければ、今シーズンを戦っていけないのではないか」と断じた。
ともすれば、チームの士気に水を差しかねない。それでも厳しい言葉を用いて激励としたのは、日本一への強い思いがあるからだ。「厳しくないよ。昨シーズンを思い起こすような負け方をしていたので、どこかのタイミングで言わないといけないと思っていた」。春季キャンプは宜野座と安芸を巡り、チームの底上げを感じた。だからこそ歯がゆい。それが噴出した形だ。
「いらんこと言うたなということになったらうれしいですけどね」と坂井オーナー。この大号令に猛虎戦士は呼応するか‐。2週間後に、その答えは出る。