ゴメス弾 実戦デビュー前に強烈デモ
右膝裏痛で別メニュー調整を続けていた阪神のマウロ・ゴメス内野手(29)が14日、鳴尾浜で和田豊監督(51)が見守る中、シート打撃に臨み、小嶋から弾丸ライナーで左中間へ本塁打を放った。今後は15、16日の教育リーグ・中日戦(ナゴヤ)に出場し、最短で17日に1軍合流予定。遅れてきた助っ人がようやくベールを脱ぐ。
新助っ人の破壊力‐これを指揮官は待ち望んでいた。2軍全体練習後に用意された、ゴメスのためだけのシート打撃。宜野座キャンプ以来となる実戦形式の打撃で、規格外のパワーを披露した。
左腕・小嶋に対して、迎えた第4打席。外寄りの初球を踏み込んでフルスイングすると、糸を引くような弾丸ライナーになった。「入るかなという感じだった」という打球は、左中間フェンスすれすれを越えていった。
第1打席にも、カウント3‐1から外角直球を捉え、右翼フェンス最上部に直撃する二塁打。この日放った2安打は「ボールもよく見えていた。しっかり打てたよ」と納得顔。対戦した小嶋が「雰囲気があった。一発はあるし、嫌な感じだった」と圧倒されたほど、大砲の片りんを見せつけた。
15日の実戦デビューに向けて、気持ちも高ぶっている。6打席で終わる予定だったシート打撃を2打席“おかわり”。「ゲームから遠ざかっていたので、少しでも生きた球を見たかった」と計8打席を消化。終了後には自らスライディング練習を敢行し、試合への準備を完了させた。
ここからは、実戦での調整に入る。「これ以上の体のキレはゲームに出てつくっていかないと。日本の投手の配球も覚えてもらわないとね」と和田監督。実戦勘など試合の中でしか養えない部分がある。開幕まで2週間、それを取り戻す作業に移っていく。
ゴメス自身も「あとは(投手との)タイミングだけ」と課題を明確にした。3打席目には小嶋の落差の大きいカーブにタイミングを外され空振り三振に倒れた。ほかにも外角のツーシームを引っかけるなど、微妙な感覚のズレを解消していかなければならない。
名古屋では2試合に出場する。15日はDHで3打席、16日は一塁守備にも就く予定。内容次第となるが、順調ならば17日の1軍練習に合流して、18日にヤクルトとの練習試合(神宮)に出る見込みだ。遅れてきた新助っ人が、いよいよベールを脱ぐ。