西岡OP戦初マルチで執念ドローけん引
「オープン戦、西武1‐1阪神」(16日、西武ド)
ここから流れを変えていく!!阪神・西岡剛内野手(29)が今オープン戦初のマルチ安打。猛虎打線も九回2死から同点とする粘りを見せた。17日からは新助っ人マウロ・ゴメス内野手(29)も1軍に合流。背中の張りで3試合連続欠場中の鳥谷敬内野手(32)も復帰間近と、いよいよ14年型ベストオーダーを組んでの戦いで、開幕への最終調整に入る。
光はほんの一筋‐。だが猛虎が牙を研ぎ、相手を仕留める。その威厳ある姿を取り戻す予兆は、見せた。打線の鼓動を呼び起こしたのは3番・西岡だ。
1点を追う九回。先頭で西武の守護神候補・ウィリアムスから中前打を放ち出塁。空気は変わり始めた。1死後、代走・田上が状況を打破するべく二盗を狙う。これは失敗に終わり2死無走者となるが、この攻撃的な姿勢が直後に猛虎打線の目覚めを呼び込んだ。
新井良、代打・関本、大和の3連打で瞬く間の同点劇。西岡がつくった流れが、勝負どころで振るわなかった攻撃陣を奮起させた。
「右打席のヒットはたまたま。左はしっかりタイミングが取れた。だんだん調子はよくなっている」。言葉が示すとおり、六回は左打席で右翼線安打を放っており、オープン戦初のマルチ安打と状態は上向いてきている。
勝負強さを買われ、4試合連続3番起用の西岡が復調。加えて4番候補の新外国人・ゴメスが17日から1軍合流し、背中の張りで試合欠場を続けた鳥谷も、18日の練習試合・ヤクルト戦(神宮)から実戦復帰の予定と、役者はそろってきた。
ようやく実現するベストオーダー。和田監督も「形自体は、開幕に近いものになってくる。(ゴメスが)入った時の流れも見てみたい」と話し、大きな期待を寄せていた。
それでも西岡は「3番を打つんだったら、あそこを返さないと」と三回2死一、二塁で凡退した2打席目を猛省。六回に盗塁失敗もあったが「大丈夫!開幕までにはビシッとやるから」と堂々宣言だ。
福留らの不振もあり、指揮官も「(打線は)まだまだ。個人の調子を上げて、点数を入れるケースをつくっていかないと」と楽観はしていない。ただ希望も見えている。真価を問われる勝負の時まで、残り2週間を切った。