藤浪、強風5失点KOも…どこ吹く風
「練習試合、ヤクルト10-4阪神」(18日、神宮)
春を告げる強風が吹き荒れるマウンド。集中力を保つことさえ、ままならない。結果だけを見れば2試合連続での5失点。だが阪神・藤浪は、シーズンへの確かな手応えを得ていた。
「5失点にはなったけど、この間とは内容が違う。ボールがよくても、結果が出ないこともありますから」
初回は3者凡退も、二回はミレッジに左翼席へのソロを被弾。六回2死一、三塁では、畠山の打球が強風に押され左中間へ届く3ランとなり、6回5安打5失点に終わった。
前回、8日の日本ハム戦(甲子園)では5回5失点。「そろそろしっかり抑えないといけない。もう、この時期になると結果度外視ではダメだと思います」と話していた藤浪だが、この試合でも結果は残せなかった。
ただ毎試合、テーマを持って臨んでいる右腕にとって、それに沿った投球こそ重要だ。この日のテーマは球数。「いいテンポで投げられた」と、五回終了時点では63球という“エコ投球”を見せた。
「これに結果が付いてくるのが一番よかったんですけどね…」。そう悔しさをにじませるほど、内容的には納得のできばえだ。
副産物も生まれた。しっかりと腕を振る目的で、普段は割合の少ないカーブを多投。三回には西浦から、このカーブで三振を奪った。「あまりストライクは取れなかったが、変化の感覚はよかった。1つ収穫ですね」と投球の幅も広げている。
神宮では昨季から4戦全敗も「それは運の問題。特に気にしていない」と意に介さず、和田監督も「しっかりと課題を持ってやっている」と評価した。
25日の2軍戦登板を経て、4月1日のホーム開幕戦(中日戦・京セラドーム)へと向かう。「状態は悪くない。しっかりやれば大丈夫」。一歩一歩、道を踏みしめ、理想の姿を追い求める。