三塁バトル決着!左なら良太、右は今成
「オープン戦、ロッテ3‐4阪神」(19日、QVC)
狙い澄ましたように、内角低めに落ちるスライダーをすくい上げた。ゴルフスイングではじき返した打球は、左中間を深々と破った。左腕の藤岡から放った2点二塁打。左なら新井良太‐。その事実を印象づけるには十分な一打だった。
場面は阪神1点リードの四回だった。1死一、二塁で迎えた第2打席。カウント1‐1から、内角低めに食い込む129キロのスライダーを完ぺきに打ち返した。大和、マートンが生還し、貴重な追加点をたたきだした新井良。「チャンスだったんで、2点入ったんで良かったです」と納得の表情を浮かべる。
これでキャンプから続いた三塁争いも大枠で決着がついた。相手投手が右なら今成、左なら新井良のツープラトン体制。黒田ヘッドは「基本形はな。きょうはそれで成功した。これから考えていくことやけど、そういう形になってくるんじゃないか。監督もいろいろ考えていると思うし」と明かす。
指揮官も「使った方がしっかり結果を出している。シーズンに入ってもそういう起用になる可能性があるんで」と語った。いかに2人が高いレベルで競ってきたか、数字がはっきりと示している。
今成はオープン戦で右投手への対戦打率が・360。新井良は左投手に対して・385と“得意分野”でしっかりと結果を残してきた。内容的にも今成は難しいコースをきれいにさばき、新井良は長打力で存在感を示した。新井を三塁で起用する選択肢も残るが、基本は定位置バトルを繰り広げた2人にチャンスを与える方針だ。
「僕は準備をして、その試合、試合でやるだけです」と力を込めた新井良。巨人との開幕カードには菅野、杉内と左右の両輪が来る。開幕ダッシュへ、激しく火花をぶつけあってきた2人が攻略のカギを握る。