呉昇桓初S!石直球“韓璧”3人斬り
「オープン戦、オリックス2-4阪神」(21日、京セラ)
目を細め、藤井のサインをのぞき込む阪神・呉昇桓の眼光が鋭く光った。開幕を1週間後に控えた実戦登板。守護神がハートに熱い炎を点火した。気迫に満ちた15球で三者凡退。威風堂々のオープン戦初セーブだ。
怪力を誇るペーニャに真っ向勝負を挑んだ。148キロ直球でファウルを奪い、オープン戦で初めて投じた123キロのスラーブで空振り。最後は149キロ直球に空を切らせた。
心も体も球も乗った。続く谷は2ストライクから3球勝負のカットボールで空振り三振。最後はT‐岡田をスライダーで三邪飛。春と夏、甲子園を高校球児に明け渡す間、ホーム球場で使用する京セラドームのマウンドで、石直球がうなりを上げた。
「気合入ってたな」と中西投手コーチ。和田監督は「今日だけじゃなくて、ずっといい。投げるたびに球の切れが増している。今日は意識的に高めを振らせてたもんな」と日増しに膨らんでいく信頼感を口にした。
呉昇桓も収穫を得た。「今日は真っすぐで空振りを取れたからね。ピッチングのバランスが取れてきた証拠だから」。不安はない。開幕が待ち切れない。宿敵・巨人を眠らせ、敵地でハイタッチを交わす絵図は整った。