藤浪万全!4・1竜斬りデモ10奪三振

 「ウエスタン・リーグ、中日2‐3阪神」(25日、ナゴヤ)

 阪神・藤浪晋太郎投手(19)が25日、開幕前の最終登板となるウエスタン・中日戦(ナゴヤ)に先発。今年最長の7回を投げ、3安打2失点(自責点1)にまとめた。直球は自己最速タイの156キロを計測し、10奪三振。藤浪は万全の態勢で、開幕4戦目となる4・1中日戦(京セラ)の先発マウンドに立つ。

 “伝家の宝刀”が、よみがえった。藤浪のカットボールに相手打者のバットが何度も空を斬った。追い込み、そして左打者の膝元へ鋭く落とす。決め球カットボールを主体に10三振を奪った。7回3安打2失点。前回までの2試合は連続で5失点を喫していたが、開幕前ラスト登板で、きっちり結果を出した。

 「すごく良かったわけではないですけど、しっかりゲームメイクはできたと思います。球数もそれなりに抑えられたし、ムダ球もそんなに多くなかった」

 立ち上がりから2軍主体の相手に格の違いを見せつけた。初回は岩崎、高橋周をカットボールで空振り三振。四回までは無安打。五回、甘く入った変化球を古本にバックスクリーンまで運ばれたが、六回は代打・井藤、岩崎、森越を3者連続三振に仕留めた。

 自己最速タイの156キロを計測した直球にも「角度」が戻った。マウンドでプレートの三塁寄りに軸足の右足をかけた。昨季の交流戦途中から右打者の外角低めへ直球を制球するため、一塁寄りに変更していた。この日は大阪桐蔭高時代の三塁寄りの位置に戻した。

 「去年はインステップしていたから一塁側を踏んでいましたけど、(今年は)幅が普通になったので。右バッターに恐怖感を与えることができるし、投げやすいと思ったのでやってみました。いい部分と悪い部分があるけど違和感はなかった」

 言葉通り、右打者の外角にはズバズバと直球を決めた。左打者の外角には「体の開きが早くなった」と抜け球が幾つかあった。視察に訪れた山口投手コーチは「いい球も何球かあったけど、回転と球筋は少し不満やった。全体的に上向いているけど、まだまだ満足してもらっては困る」と厳しい言葉を並べた。

 とはいえ、それも先発3本柱の一角を任せる右腕への期待が大きいからこそ。当面はカード頭で先発する藤浪の成績が、チームの命運を握っている。

 「優勝するために、自分もしっかり投げないといけない。ローテの柱になれるように頑張りたいです」。若きエース候補は自覚を口にした。4月1日、藤浪の2年目シーズンが幕を開ける。

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