能見やり返せ…自己ワースト10失点
「巨人12‐4阪神」(28日、東京ド)
プロ野球は28日、セ、パ両リーグが同時に開幕し、今のプロ野球の起源となる大日本東京野球倶楽部(現巨人)が発足して80年となるシーズンが始まった。2004年以来10年ぶりに開幕戦で巨人と激突した阪神は、新外国人・ゴメスの一打などで4点を先制も、エース・能見篤史投手(34)が自己ワーストの10失点KO。痛恨の逆転負けを喫した。このままでは終われない。この借りは必ず返す。
敗戦の責任を自ら背負い、ゆっくりとバスへと歩いた。吐き出しそうな悔しさを必死に押し殺し、丁寧に言葉をつないだ。「結果として受け止めないと」。自身2年ぶり3度目となる開幕のマウンド。能見が敗れた。
「(制球面の修正を)いろいろとやろうとはしたんですけどね。打たれたのはボールが高かったですから。(開幕の雰囲気は)独特ですよ」
二回まで無失点だったが、初回は2死から連続四球を与えるなど、立ち上がりから制球が思い通りにいかない。中西投手コーチが「右バッターの外が、最後まで決まらなかった」と振り返ったように、そこが一つの敗因となった。
4点を奪った直後の三回、2死からの3連打で満塁のピンチを招くと、ロペスにあわや満塁弾となる中堅右のフェンス直撃の3点適時二塁打を許した。さらに四回は、またも2死から坂本に同点のソロ弾を浴びた。
「(2死からの失点は)そういうのも含めて、次に生かしていかないといけない」と能見。五回は先頭に四球、2死を奪ったもののアンダーソンに死球を与える。続く橋本には右中間に2点適時打を打たれ、最後は片岡に右越え3ランを許して降板となった。
自身通算212試合目の登板で、自己ワーストとなる10失点。五回に、結果的に片岡の一発まで続投となったことを、和田監督は「立ち直って欲しいというか任せたわけやから」と説明。キャンプ最終日前日の2月25日に指名した開幕投手。もちろん、1試合で信頼は揺らがない。能見のハートも砕かれない。
昨年、この開幕カードが発表された段階で「巨人だからそうなるかも」と、どこかで描いていた開幕マウンド。重みを十分に理解した上で、まだ143試合あることも分かっている。
「(次に)切り替えてね。これだけ打たれたということですから」と能見。リベンジの機会は十分にある。まさか、の敗戦は、必ず次の勝利の糧にする。