新4番・ゴメスは快幕!2安打2打点
「巨人12‐4阪神」(28日、東京ド)
目を覆いたくなるような敗戦の中、今後に期待を抱かせる働きだった。阪神の新外国人・ゴメスが、来日初安打初打点となる2点二塁打を含むマルチ安打をマーク。調整遅れが心配された新4番が、上々の滑り出しを見せた。
ただ、チームは大敗。「個人的には2本出たのでいいスタートを切れたけど、チームが負けてしまったので」。低いトーンのまま、ゆっくりとした足取りでバスへと向かった。
阪神で新外国人の開幕4番は、01年のクルーズ以来13年ぶり6人目。三回2死一、二塁で初めて快音を響かせた。初球。菅野の真ん中低めのスライダーにバットを止めた。誘い球を見送ると、続く真ん中に入ってきたスライダーをたたいて三塁線を破った。
内容も伴った。八回無死は追い込まれてから、笠原の内角高めの147キロに力負けせず、左翼線へライナーを運ぶ二塁打。「変化球を投げてという配球が続くと思うけど、ストライクゾーンで打てる球は打っていこうという意識でいる」と納得の表情を見せた。
異国で初の開幕戦。試合前から緊張感を漂わせた。球場入り後、ロッカーへとつながる通路で報道陣に囲まれると「しゃべらないとダメかな。試合後にしてくれないか」と表情をこわばらせた。
序盤はプレーにも硬さが見えた。初回2死一塁での第1打席は、中途半端なスイングで二ゴロ。直後の初回の守備では、坂本が打ち上げた一塁ファウルグラウンドへの飛球に、目測を誤って落球。来日初失策を犯した。
それでも結果が伴い、緊張はほぐれた様子だった。「全員が最後まで諦めないつもりで戦ったし、野球なので負けることもある。またあしたからだね」。新4番がきょうこそ今季初勝利をもたらす。