マートン魅せた 適時打&同点弾&好返球
「巨人3‐5阪神」(29日、東京ド)
総立ちの左翼席へ白球をたたき込んだ。八回1死。阪神・マートンが天敵マシソンの速球を打ち砕き、同点の1号ソロ。値千金の一撃に「マシソンにはやられていたので、やり返せて良かった」と、納得の表情を浮かべた。
燃えていた。対マシソンは2シーズンで通算8打数無安打。速球にタイミングを合わせ、初球は148キロの高めボール球を空振り。「初球は力が入った。コンパクトに、来た球を打とうと思った」。心を静め、2球目の内角高め146キロを確実に仕留めた。
要所で存在感が光った。同点の三回には1死二、三塁で杉内から左前適時打。守備でも六回、1死二、三塁で坂本の放った左飛を素早く処理し、本塁へストライク返球。勝ち越し点を阻止した。
助っ人は「みんなの守備が勝ちにつながった」と謙遜したが、間違いなく“主役”の一人。和田監督も「あれ(同点ソロ)が大きかった。取られてすぐに取り返したから。もう一回、盛り返せた」と感謝した。
前夜は完膚なきまでにたたきのめされた。あきらめず、一丸でもぎ取った今季初白星。マートンは「価値ある1勝だと思う」と笑顔。頼れる男が、チームを救った。