頼もし2、3番!西岡&大和がW猛打賞

 「巨人3‐5阪神」(29日、東京ド)

 歓喜に沸く東京ドームの通路。明るい光が差し込む中で、西岡が笑いながらこう言った。「自主トレから打撃を教えてる大和に先生役が負けてたらシャレになんないでしょ!!」。自主トレからコンビを組む阪神の2人がそろって猛打賞。2、3番のホットラインが宿敵・巨人を切り崩した。

 「初回に一、三塁のチャンスで4番に回せたのが良かった」と分岐点に挙げた西岡。前夜の大敗を払しょくするように初回1死から大和が右前打で出塁。続く西岡は追い込まれながらも、ランエンドヒットで中前に落とし一、三塁からゴメスの先制犠飛を呼び込んだ。

 三回も先頭の大和がスライダーを中前へはじき返すと、西岡もしぶとく外角チェンジアップを左前へ運び、マートンの勝ち越し適時打を誘発。最後は同点の九回、大和が無死一、二塁から粘って四球でつなぐと、西岡が放った一ゴロに相手のボーンヘッドも重なって決勝点。さらにゴメスのダメ押しタイムリーを生んだ。

 「これが今年のウチの打線の核。2人とも打ってつなげるからね」と語った関川打撃コーチ。単純にバントで走者を送るのではなく、高い打撃技術を持つ2人がエンドラン、右打ちなどを仕掛ける。打線に勢いが生まれ、得点のバリエーションも増える。

 昨オフ、西岡の門戸をたたいてきた大和。自主トレを通して言われたのはタイミングの取り方だった。オープン戦中、結果が出ない愛弟子に、師匠はオープンスタンスのススメを説いた。「内角を怖がらずに打てるようになった」と明かした大和。これが劇的な変化を生み、開幕から2戦連続の猛打賞は自身初。そして西岡も負けじと3安打を放ち、決勝点をたたき出した。

 「絶対に大和を追い抜きますから!」と鼻息荒く帰路についた西岡に、大和は「(冒頭のコメントは)僕にも直接、言ってました。今は打席に入るのが楽しい」と笑みを浮かべた。切磋琢磨(せっさたくま)する2人がつくり上げる新・猛虎打線。打ってつなぐ流線型の攻撃は、間違いなく虎の野球を変える。

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