田上は光った!初スタメン即マルチ安打
「阪神5‐6DeNA」(8日、甲子園)
もう「スーパーサブ」とは呼ばせない。今季初先発の阪神・田上が、久保攻略の口火を切る2安打。俊足が売りの男が、バットで輝きを放った。
0‐0のまま迎えた五回。先頭で打席に入ると、初球122キロの変化球を捉えた。痛烈なライナーを右前に運び出塁。1死後、上本の四球で二塁へ進むと、続く大和の左前へ落ちる安打に、判断よくスタートを切り先制のホームを踏んだ。
さらに、六回には1死一塁から好機を拡大。粘った7球目、今度は変化球を流し打った。上本の適時打をお膳立て。田上の2安打は、久保から4点を奪う大きな役割を担った。
6日・ヤクルト戦に続く2試合連続のマルチ安打。好走塁も光った。山脇外野守備走塁コーチは「あれが持ち味。大きなアピール材料になるよ」と躍動ぶりに目を細めた。
アピールできたからこそ、笑えなかった。1点ビハインドの九回。無死一、二塁から犠打を決められず、「一つ一つの仕事をきっちりできないと、レギュラーなんて」と肩を落とした。
2012年9月19日以来のスタメン出場。満身創痍(そうい)の福留に代わり、チャンスをつかみかけた。この日の活躍は色あせない。次こそきっちり決めて定位置奪取をたぐり寄せる。