ゴメス、3戦ぶり安打がダメ押し打

8回、左中間へタイムリー二塁打を放つゴメス(撮影・田中太一)
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 「阪神5‐1巨人」(11日、甲子園)

 クラブハウスへ続く踊り場で報道陣に囲まれる阪神・ゴメスに向かって、和田監督が親指を立てた。八回に3試合ぶりの安打が適時打となり追加点を挙げた。貴重な打点だった。だがそれ以上に、指揮官が殊勲に挙げるのは六回の四球だろう。

 2死二塁でゴメスに打席が巡ると、はやる気持ちを抑え、フルカウントから最後は杉内の沈むスライダーにバットを止めた。「走者が二塁にいたから、もちろんかえしたい気持ちはあったよ。でもボクがつなげばマートンがやってくれる気持ちがあったんだ」。初回に9球粘ったのち三振を喫し、四回にスライダーを打ち損じた。変化球の軌道を見極めた選球眼が、マートンの3ランを呼び込んだ。

 杉内攻略はゴメスの泥くさいダイビングから始まった。六回無死一塁の守備。アンダーソンの打球が一、二塁間へ飛ぶと、これを巨漢が横っ跳び。捕球は逃したが、一塁ミットではじいた打球を上本が絶妙のカバー。一塁に戻ったゴメスに送球する好守でピンチの芽を摘んだ。さらに2死三塁からロペスの三遊間ゴロを捕球した鳥谷の一塁送球がハーフバウンドになるも、ゴメスが好捕。失点のにおいをかき消した。

 「打つ方だけじゃない。守りでもベストを尽くしたいんだ」。殊勝なコメントが頼もしい。攻守でチームを支えている。

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