能見3連勝 投打でこだわりの攻め
「阪神4-2ヤクルト」(18日、甲子園)
序盤の快投から、失点を許しても最後は勝ちきる。チームの連敗を、しなやかな左腕が止めて見せた。自身3連勝は、阪神・能見の「こだわり」も随所に示した勝利となった。
「前半にああいう展開になると、流れとして後半はピンチになるんで。勝ててよかったです」
もしや…の期待を感じさせた、中盤までの圧巻のピッチング。序盤からチェンジアップを多投し、緩急を効果的に使った。「出せるものは出していかないと」。試合を支配しているような雰囲気を漂わせながら、四回までパーフェクトピッチング。五回2死から畠山に許したソロ弾が、初安打での失点だった。
六回は無失点に抑え、七回2死一、二塁から西浦に右前適時打を許したところで降板。中西投手コーチは「腕の位置を変えて前回の巨人戦も良かった」と振り返る。テークバックの際の腕の使い方に修正を施していることが結果につながっている。全てはチームの勝利のためであり、打席でも執念が示される。
昨年、巨人戦(東京ドーム)でソロ弾を打つなど打撃面でも注目を浴びた。「警戒されてる感じがする」と話すが、だからといって何もしないわけではない。二回の1打席目は10球粘って球数を投げさせた。四回と六回の打席では、1、2球目にいずれもバントの構えを見せて揺さぶった。
細かなことでも、少しでも勝利に貢献しようとプレーする。「今年は相手にとって嫌なことをやろうと。自分もピッチャーで分かるから」。それが、今季の打席の中で意識を置くスタイルだ。
相手エース・小川からの勝利。終盤には肩などを気にするしぐさも見せたが、「それは大丈夫」と和田監督。左腕が背負う責任感も見えた、大きな1勝となった。