鳥谷で聖地6連勝 ライアン痛烈KO
「阪神4-2ヤクルト」(18日、甲子園)
猛虎がホームで息を吹き返した。鳥谷敬内野手(32)が初回に左前適時打で先制すると、二回には小川を強襲する適時二塁打、四回にも安打で猛打賞を決める打撃に2盗塁でチームをけん引。これで甲子園では4年ぶりとなる6連勝。今年のトラは聖地で強い。
負の流れを断った。甲子園での再スタート。グラウンドを駆け回る鳥谷がファンに、チームに、熱気を呼び戻した。思いをプレーで体現した主将が、猛虎を上昇気流に乗せた。
広島との首位攻防戦は負け越し。6連勝後に2連敗を喫して聖地に戻った。踏みとどまらなければならない一戦。ヤクルトの3勝無敗のエース・小川が立ちはだかった。
「連敗して帰ってきているので(小川の調子が)いいか悪いか分かる前にどんどん振っていくつもりだった」。初回1死二塁。1ボールからの2球目。外角直球を捉え、左前へ先制適時打を放った。
続くゴメスの3球目は二盗に成功。ゴメスが遊撃正面へゴロを放つと、いったんは帰塁しかけたが、西浦が中堅方向へはじくと再加速。三塁も蹴って2点目のホームを踏んだ。
二回2死は再び小川の内角直球を捉え、ライナーをはじき返した。打球が小川の右手に直撃し、右翼ファウルグラウンドを転々とする間に大和が一塁から生還。10年の7連勝以来となる甲子園6連勝をたぐり寄せる適時二塁打となった。
四回2死一塁は右前打で今季2度目の猛打賞。七回無死は四球で出塁すると、2年ぶりの1試合複数盗塁となる二盗を決めた。
開幕直前に背中の張りを訴えた影響もあり、開幕10試合終了時は打率・195だったが、19試合を終えたこの日は打率・324。不振は完全に脱した。
長丁場のシーズンを見据えた取り組みが、好結果につながっている。甲子園の練習では下半身への負担が少ないポイントのスパイクを履く。「疲れるんでね」。疲労がたまる金具の歯のスパイクは試合だけの使用にとどめている。また17、18日は連日、個別にダッシュを行った。疲れが出る夏場以降への準備も怠っていない。
お立ち台では冷静な受け答えを見せた。「4、5、6番に任せっきりだったので、いい形でつなげるようにしたい」。巻き返しを期待するファンから背番号1に万雷の拍手が、降り注いだ。