ゴメス5打点!神撃の甲子園8連勝
「阪神8‐7ヤクルト」(20日、甲子園)
ゴメス、5打点、貯金5だ。阪神のマウロ・ゴメス内野手(29)が五回、満塁の走者を一掃する決勝の逆転二塁打を放った。4番は六回にも適時二塁打を放ち、1試合5打点は来日最多。チームは今季2度目の同一カード3連戦3連勝、そして甲子園での連勝も8に伸びた。貯金は今季最多の5となった。
まいったなあ。ゴメスはバツが悪そうに苦笑いを浮かべた。2試合連続のお立ち台。インタビュアーから「何か、新しい日本語を」と振られると一瞬の間を置いて「オオキニ、オオキニ…」。前日使ったばかりのフレーズを2度繰り返した。「え~新しくないやん!」。観客席から痛烈なつっこみの洗礼を浴び、歓声に包まれた。
期待通り、打った。2点ビハインドの五回1死満塁。そのバットがうなった。2ボールからの3球目、甘いシュートを左中間へはじき返した。大飛球がワンバウンドで左中間フェンスに跳ね返る。その間に3人の走者が本塁に駆け込んだ。
「来た球をしっかり捉えることだけ考えたんだ。ちょっと詰まったけど、うまく打てたよ」。六回にも左翼線に2点適時二塁打を放ち、計5打点。ゴメスの前に走者をためれば、どんな劣勢もはね返せる。そんな期待感がいつも漂っている。
終わってみれば最後は1点差。「個人的なことはどうでもいいよ。勝てたことで大満足」。開幕からの連続試合出塁を21に伸ばし、球団の外国人記録に並んだ。打点もマートンに迫る25。進撃が続くが、興味がないと言わんばかりに、柔和な笑みを浮かべた。
来日から70日。日本語はまだまだ未熟だ。それでも、この国との縁深さを大切にする。レッドソックス在籍時の12年7月6日のヤンキース戦でメジャー初打点を挙げた。「ヤンキースのヒロキ・クロダ(黒田博樹)のことはよく覚えているんだ。シンカー、スライダー、スプリット…素晴らしい投手。彼とはフェンウェイパークで2度対戦して1本ヒットを打てた。打球が遊撃手の頭を越えていったよ。あれが初打点?え?そうなのかい?」
メジャー残留をモチベーションにもがいていた2年前。黒田が、自身のメモリアルの相手であることは気に留めなかったが、日本人投手であったことに、喜びを感じている。
そんなゴメスの大ハッスルで3連勝。甲子園連勝は8に伸びた。貯金は今季最多の5。虎の新ドミニカンが日本球界を席巻する。