福留復調の兆し!今季初適時打&マルチ
「DeNA4‐14阪神」(25日、横浜)
待ちに待った快音を響かせた。阪神・福留が今季初適時打を含む今季初のマルチ安打。26日に37歳の誕生日を迎える背番号8が、自ら節目を前祝いした。
「(ヒットの表示が)つかないより、ついた方がいい。つくだけで気分的にも違うしね」
三回1死一、三塁、三嶋のスライダーを投前へ。投手がはじいた打球を処理した二塁・宮崎は、一塁走者・新井良にタッチしようとして空振り。その間に福留は一塁を駆け抜け、三塁からゴメスが生還した。
4月3日の中日戦で1号2ランを放って以降、犠飛2本で打点を挙げていた。だが、適時打を記録したのは今季初めてだった。
五回無死は田中から中堅フェンス最上部を直撃する二塁打を放った。完璧に捉えた打球に和田監督は「やっと孝介らしい当たりが出た感じだね」とうなずいた。
25試合を終えて打率・163、1本塁打、5打点。好調な打線に反して、成績は下降線をたどった。3月30日の巨人戦で西岡と激突し、胸部を打撲した影響が今も残っているためだ。
現在も試合前後にアイシングを行い、患部の影響で体がこわばることもあるため、マッサージにも時間を割く。そんな状況でも18日からは4日連続の早出特打を敢行。一本足打法を試すこともあれば、ノーステップでスイングすることもあった。負担を抱える中で、今も最善のスイングを探し続けている。
「一時期に比べれば、(状態はまし)という感じだけど、まだ打席の中で違うなと思うこともある。投手と対戦する前に自分のスイングを考えないで、投手との対戦に集中できるところまで持って行ければ」。奪首に欠かせぬ男が見せた復調の兆し。大勝の中でも決して色あせない。