岩田3年ぶり完投星!背水9年目で復活
「DeNA1‐7阪神」(26日、横浜)
ナインとハイタッチを交わすと、ようやく白い歯をのぞかせた。ゴールデンウイーク初日。大観衆の横浜で、阪神・岩田が3年ぶり完投勝利を無四球で飾った。
「テンポよく無駄なフォアボールを出さないように。(直球も)今日は良かった。ああいう感じで投げていけたらいいと思います」
課題の立ち上がり。セットポジションから余計な動作を省き、鶴岡のミットめがけて、投げ込んだ。先頭白崎をフォークで幸先良く空振り三振に仕留めると、梶谷は二ゴロ。3番の宮崎も三ゴロに打ち取り、三者凡退。これ以上ないスタートに、左腕は左手で小さくガッツポーズをつくった。
「紙一重です。ゼロに抑えたらいいし、点を取られたらダメ。守ってもらっているので、すごく助かった」。シンプルな思考で初回のスコアボードに「0」を点灯させた。
スムーズな体重移動から最速146キロの直球、カットボール、ツーシーム、スラーブなど、多彩な変化球を低めに集めた。27個のアウトのうち内野ゴロは約半分の13個。左腕の復活に和田監督は、「岩田本来のこっちが求めているピッチングをやっとしてくれた。今日はもう、言うことない」と目を細めた。
昨季わずか2勝に終わり背水の思いで迎えた9年目。年明けに、初めて米アリゾナのトレーニング施設で、自主トレを行った。そこではメジャーリーグを目指すマイナーの選手が汗を流していた。岩田は「すごく効率のいい練習をしていた。行って良かったよ」と彼らのトレーニングに刺激を受けたという。帰国後は鳥取市内の施設でも自主トレを続けた。
開幕こそファームで迎えたが1軍昇格後、2連勝を飾った。ただ中西投手コーチは「いいカードのところで、勝ち星を伸ばせるように相性を見たい」と出場選手登録抹消を示唆。次回は相性がいい中日戦(5月8日・ナゴヤドーム)に先発する可能性がある。