岩田7回0封でローテに完全復活
「中日2‐1阪神」(8日、ナゴド)
白星こそつかめなかったが、阪神・岩田の好投は色あせない。4月26日の完投勝利に続いて、7回を5安打無失点。左腕が文句なしの投球で完全復活した。
序盤は変化球が高めに浮き三回まで毎回、得点圏に走者を背負ったが慌てない。「低めを意識しないと、この球場は(球が)高めに抜けるので。意識を変えました」。すぐさまナゴヤドームの高いマウンドに適応。四回は森野、和田、堂上直を三者凡退に打ち取り、リズムに乗った。
140キロ前半の直球と、打者の手元で動くツーシームでバットの芯を外した。先制点をもらった直後の七回は、圧巻の投球を披露。1死から谷繁を143キロの内角直球で見逃し三振に斬ると、代打・エルナンデスはフォークで7個目の三振を奪った。
ナゴヤドームの中日戦は相性がいいため、DeNA戦で完封勝利を飾った翌日に出場選手登録を抹消され、この日に向けて調整を続けてきた。中10日の期間を有効活用して、下半身を鍛え直した。「お尻を利かせるために」と、甲子園練習では黙々とアルプスの階段を駆け上がった。関係者は「フォームが横回転にならないようにお尻を鍛えている。体重が前に乗ったら、ボールに威力が伝わりやすい」と説明。力強い下半身と向上心が復活を支えている。
左腕の安定した投球は今後に向けて明るい材料だ。尻上がりの投球に中西投手コーチは「最初はツーシームが高く抜けていたけど、ストライクを取れてから乗っていったな」と修正能力を称えた。
次回は14日の広島戦(米子)に先発予定。岩田は「これを続けていきたい。次、頑張ります」とすっきりとした表情で前を向いた。能見、メッセンジャー、藤浪に続いて、頼もしい左腕が先発ローテに加わった。