ゴメス悲しき豪弾…2戦連発も逆転負け

 「交流戦、ソフトバンク4-2阪神」(23日、ヤフオク)

 阪神のマウロ・ゴメス内野手(29)が初回、先制の左越え9号2ランを放った。岩崎の外角変化球を捉え、広いヤフオクドームの高いフェンスをものともせず、左翼席に突き刺した。だが、得点はこの一発のみで、チームは逆転負け。2打席目以降は無安打の4番も試合後、唇をかみしめた。

 怪力を誇示する弾道だった。日本一高いフェンスなど全く問題にしなかった。ヤフオクドームの5・84メートルの左翼フェンスを軽々と越え、左翼席中段へ描いた大きなアーチ。ゴメスが痛恨の逆転負けの中、最大の見せ場をつくった。

 初回2死一塁。岩崎の失投を逃さなかった。真ん中へ入ってきたスライダーをバットの芯に乗せた。タイミングも手応えも完璧だった。

 「しっかりと1球で仕留められたよ」。21日のオリックス戦での決勝弾に続き、2打席連発となる先制9号2ラン。緩やかな弧を描く打球を見ながら、左手一本でバットを掲げると、ゆっくりと走りだした。

 米大リーグ・レッドソックスに在籍した12年。左翼に高さ約11・3メートルの「グリーンモンスター」がそびえ立つフェンウェイパークで2本塁打を放った主砲が、誓い通りに日本の“グリーンモンスター”を攻略した。

 「自分としては打てる球を打とうと思って、しっかりとたたくことができた。ああいう形でいい球が来たら、見逃さずに打とうと思って打席に入っている」。敗戦後は低いトーンながら確かな手応えを口にした。

 この一発で5試合連続安打となったが、2打席目以降は3打席連続で凡退した。「本塁打の後はうまく相手にやられてしまった」と反省。2つの空振り三振を喫して、自己ワーストを更新する11試合連続三振となった。

 それでも来日1年目で初対戦の投手ばかりながら対応している。和田監督は「三振が多い打者だけど、(誰でも)空振りすることはある。ゴメスだけじゃない」と唯一の得点をたたき出した奮闘を称賛した。41打点はリーグトップの広島・エルドレッドと6差。健闘ぶりは数字も示している。

 パ・リーグ上位2チームとの対戦からスタートした交流戦は、3試合を終えて1勝2敗。24日のソフトバンク戦は、今後のためにも落とせない。ゴメスにかかる期待は大きい。

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