上本、首位打者!マルチで打率・343
「交流戦、阪神2-0ロッテ」(27日、甲子園)
阪神・上本がシーズン50試合目で首位打者に躍り出た。1、2打席凡退で迎えた五回の第3打席、1死から涌井の内角直球を引っ張り、左前へ運んだ。七回にも2死で外角直球を右前へ。いずれも得点に結びつかなかったが、今季12度目の複数安打で打率は・343まで上昇。広島のエルドレッド(・339)を抜き、今季初めて打率セ・リーグトップに立ったが、上本はその数字に関心を示さなかった。
「関係ないですよ。そういう数字を意識して、良かったことは今までに一度もないので。これからも1打席、1打席。積み重ねていきたい」。途中経過で一喜一憂するほど日々を悠長に構えていない。緩みのない表情を見れば、それが分かる。
3日のヤクルト戦(神宮)で右手親指を骨折してから24日経過した。20日の交流戦開幕オリックス戦で戦列復帰してから6試合で24打数9安打、打率・375。故障明けを感じさせない貢献度でチームを引っ張っている。
「首位打者?いいことだね。でも、本人はまったく意識していないと思うよ。シーズンが終わったときにそこにいればいい」。関川打撃コーチは上本の胸の内を察していた。残り94試合。選手会長は前途だけを見据え、快打を追い求めていく。