ゴメス先制V撃 DHで13打席ぶりH
「交流戦、阪神2-0ロッテ」(27日、甲子園)
来日1年目の助っ人に負のデータなど関係なかった。阪神・ゴメスが決勝の適時二塁打。阪神の天敵・涌井攻略への道を切り開いた。
「藤浪がいい投球をしているし、先に点を取ってあげたいと思っていた」
チームは三回まで四球による走者しか出せなかった。この試合まで阪神と涌井との対戦成績(先発時)は1勝5敗で打率・201。またか…。嫌な雰囲気が漂い始めた0‐0の四回だった。
先頭の鳥谷が四球で出塁し、二盗を決めた。「あの展開で(二盗は)大きかった。自分はあまいボールを捉えようと思った」。
無死二塁。2球連続でカーブが続いた後の3球目。内角寄り、143キロの直球をコンパクトなスイングではじき返した。ライナー性の鋭い打球が左翼線を転がる間に、鳥谷が先制のホームを踏んだ。
「あまい球を待っていて、あまい直球が来た。打てるボールをきっちりと捉えられた」。安打、打点ともに23日のソフトバンク戦の9号2ラン以来13打席ぶり。久々の感触に笑顔で声をはずませた。
指名打者での先発は2試合連続。米国時代はDHを得意としていた。レッドソックスに在籍した12年。メジャーでプレーした唯一シーズンで、16打数5安打で打率・313、1本塁打、6打点の好成績を残した。
守備に就かないため、これまでとリズムが変わるが「監督が決めることだからね。何でも従うだけだよ」と自然体を強調。25日のロッテ戦は3打数無安打に終わったが、2試合目できっちり結果を出した。
5月に入って成績を落としたが、ゴメスが打点を挙げればチームは16勝9敗と大きく勝ち越している。再び上昇気流に乗るためには、主砲の奮起が欠かせない。