「交流戦、楽天４-３阪神」（３日、コボスタ）

　楽天・則本のウイニングショットを完璧に打ち返した。絶妙のコースに落ちたフォークを、鮮やかに中前へはじき返した。味方打線がことごとく打ちあぐねたボールを安打した阪神・マートン。その姿には一切、集中力を欠いた様子はなかった。

　七回先頭で迎えた第３打席の中前打。この一打が均衡を破る起点となり、メッセンジャーの押し出し四球でホームを踏んだマートン。八回、ゴメスの２ランが飛び出した直後には福山の緩い変化球を右前へ運んだ。

　１日の日本ハム戦で球審の判定に不満を訴え、無気力プレーから懲罰交代させられていた。だが２日の和田監督との話し合いで気持ちを入れ替え、２安打と結果を残した。試合前練習ではフリー打撃後に大木通訳と熱く打撃論を交わす様子も見られるなど、本来の姿が戻ってきた。

　それでも、チームは悪夢の逆転負け。試合後は厳しい表情を崩さず、無言のままバスへ乗り込んだ。やはり集中力さえ維持できれば…どんなボールでも仕留める力を持っている。