和田采配不可解…大逆転サヨナラ負け

 「交流戦、楽天4-3阪神」(3日、コボスタ)

 夢なら覚めてほしい。だが現実だ。そして阪神はこの逆転サヨナラ負けを『まさかの…』の一言で片付けてはいけない。3‐0の九回、最初から左翼・マートンを守備固めと代えていれば、悲劇は防げたかもしれない。和田豊監督(51)は「流れを変えたくなかった」と話したが、一体、何の流れなのか。大いに疑問が残る采配だ。

 負けに不思議の負けはない。敗北に至る過程には必ず理由がある。悲劇の幕切れ。勝利まであとアウト3つに迫りながら、4点を奪われて今季4度目のサヨナラ負け。9カード連続の初戦黒星。猛虎が杜の都に沈んだ。

 大暗転。しかし、不可解な点もあった。九回、無死一塁から、左中間を割った代打・後藤の適時三塁打。背走及ばず、打球はマートンのグラブをかすめた。だが…。なぜ最初から守備固めに俊介を起用しなかったのか。

 「流れを変えたくなかった。まだ何があるか分からないし…」。和田監督の弁明だ。だが、セーブ機会の場面で呉昇桓の投入を自重し、8回1安打、無失点のメッセンジャーを続投させる決断を下したのなら、徹底的に守りを固める布陣を整えるべきではなかったか。俊介、福留と守備のスペシャリストが控えていた。流れを重視するのは分かるが、打つべき手を打たずして、逆に流れを失ったと言わざるを得ない。

 直前の攻撃。1死から打席に立ったメッセンジャーは四球で塁に出た。続く上本も四球を選び、塁にいる時間が長くなった。結局無得点。投球に専念させる、させたいのであれば、故意に近い空振り三振の指示を出し、今季4度目の完封勝利に向けた環境を整えるべきではなかったか。

 和田監督は「塁に長くいた影響があるかもしれないね。こうなると、そうしなければいけなかった」。勝利をもぎ取るまでの詰めを欠いた判断が、悲劇への導入となった。

 先制、中押しと一見、リズム良く得点したように映る攻撃も、記者は一貫性を感じ取ることができなかった。七回、無死一塁で今成が強攻策の左前打。梅野が犠打。緒方は満塁策の敬遠。ネクストには新井が控えていたがメッセンジャーがそのまま打席に入った。押し出しで先制点を奪ったが、攻めているのか、守りを重視しているのか、首脳陣の軸が感じられなかった。先制点を奪ったにしてもだ。福原が戻った救援陣に残り3イニングを託す攻撃的なタクトが見たかった。

 「今日はあの3点で勝たなければいけなかった」。虎将は2度同じフレーズを繰り返した。それならば、白星に前進するために、穴のない采配を振るう必要性があった。監督で負けたとまでは言わない。ただ、流れを重視した代償は、天と地を大きく分けた。

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