三塁で燃えた!新井2安打で大勝起爆

 「交流戦、楽天1‐9阪神」(4日、コボスタ)

 阪神が2012年6月から6連敗中だった楽天から2年ぶりの勝利。三塁で2年ぶりにスタメン出場した新井貴浩内野手(37)が、二回に先制の口火となる左中間二塁打など2安打の活躍を見せた。今季は代打稼業をこなしているが、スタメン起用なら全試合安打。お兄ちゃんが気骨を見せている。

 新井が真っ赤なTシャツに着替えてベンチを出てきた。冷めやらぬ情熱を試合後の服装に重ねたわけではないが、真っ黒だったチームの雰囲気を一夜でガラリと変えて見せた。

 お兄ちゃんが約2年ぶりにホットコーナーに戻ってきた。「6番、サード、新井」の場内アナウンスに、どよめきと歓声が観客席で混じった。「そりゃ、緊張しましたよ」。初回。先頭藤田の打球がいきなり目の前に飛んできた。果敢に前に出たが、打球がグラブに収まらない。はじいた球を拾って間一髪、一塁アウト。危なっかしい立ち上がりになったが、「自分にできることをしよう」と気持ちを落ち着かせた。

 出発前に宿舎で「三塁先発」を伝えられた。「同じエラーをするなら前に出て!と思っていた。高代さんからもそう言われた。とにかく前へ前へという気持ちだった」。六回に送球がワンバウンドになる失策も犯したが、攻める気持ちは貫いた。

 格好良く好守連発…とはいかなかったが、期待されたバットで2安打。大量援護の「起点役」を担った。藤浪の失策で先制された直後の二回。川井の浮いた直球をライナーで中堅左へ運んだ。回り込んだ聖沢の動きを見極め「走塁も前へ前へ」と、攻めの姿勢で二塁へ。得点圏へ進み俊介の同点打を誘発すると、三回は初球を右前へはじき返し、大量4点の口火になった。

 3・28。開幕戦前のミーティングの後、都内の宿舎で和田監督から呼ばれた。「いい場面でいくから」。期待を寄せる激励だったが、代打専任を告げる通達でもあった。春季キャンプから高代内野守備走塁コーチと「三塁守備」に励んだ。同コーチは指揮官に「新井は三塁守れますよ」と伝えていた。解禁日は56試合目に訪れた。

 前夜は勝ちゲームが九回に暗転。出番は巡らず、サヨナラ敗戦を見つめるしかなかった。「ムードを変える意味もあった。一役買ってもらおうと。期待に応える活躍をしてくれた」と和田監督。七回に守備固めに坂を送ったが、新井の「無形の力」に期待した用兵だったことを明かした。

 「勝ったことが一番」。16年目の37歳は初々しく勝利を喜んだ。「サード新井」でモノにした仙台の夜が、長い戦いの分岐点になるかもしれない。

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