内弁慶なのに…メッセ今季甲子園初黒星
「交流戦、阪神0‐6ソフトバンク」(9日、甲子園)
昨年までのチームメートが見せた快投とは、対照的な結果となった。相性抜群の本拠地でも「らしさ」は見られない。スタンリッジと投げ合った阪神・メッセンジャーは、5回7安打5失点で6敗目だ。
「ピンチの場面で踏ん張りきれませんでした。ゲームの流れを引き寄せるピッチングができず、悔しいです」
立ち上がりから乱れた。初回、1死からの連続四球で一、二塁となると、李大浩に中前適時打で先制された。なおも一、三塁のピンチでは長谷川の中堅への犠飛で2点目を奪われた。2四球が絡んだ痛い2失点だった。
結果的に36球を投じた初回は、微妙な球審の判定にいら立つような表情も見せた。試合後に判定に関して問われると「その点に関しては何もありません」と話すにとどめ、マウンドでいら立ちがあったのかという問いには「別に」と答えただけ。ただ、本来の制球ではなかった。
三回には松田に2点適時二塁打を許し、五回には左打ちの柳田に左中間席へのソロ弾を浴びると、六回のマウンドに上がることなく降板。これで交流戦では4試合に登板して勝ち星なし。5月17日のDeNA戦で、完封で4勝目を挙げたのが最後となっている。
和田監督は「まったくストライクが取れないわけじゃない。判定にいらついてたかな。いつもの細かいコントロールがね。球自体は悪くなかったと思う」と振り返った。メッセンジャー自身は否定しても、指揮官も右腕の心の乱れを感じていた。
今季、3完封を含む5戦4勝と結果を残してきた甲子園。ただ、この夜に輝いたのは虎の「54」ではなくソフトバンクの「55」。メッセンジャーだけの責任ではないが、久々の白星もつかめず、悔やまれる敗戦となった。