ゴメス“みそぎ弾”一夜で汚名返上や
「交流戦、ロッテ7‐8阪神」(12日、QVC)
ひと振りで劣勢を変えた。ゴメスが逆転12号3ラン。11日のロッテ戦では決勝点となる適時失策を犯し、2度の好機で凡退した主砲が、一夜で汚名を返上した。
2点を追う五回だった。上本の適時打で1点差として、さらに2死一、二塁で打席に立った。カウント2ボール1ストライク。涌井が投じた外角の143キロに、腕を目いっぱい伸ばして打ち返した。
完璧に捉えた打球は、左中間から本塁へ吹く4メートルの逆風も問題にしなかった。バックスクリーンを直撃する7試合ぶりの一発。来日初の逆転弾となった。
本塁を踏む前には珍しく、激しく手をたたいてほえた。交流戦ではチームが急失速し、前夜は自身のミスが敗戦に直結。大黒柱として責任を感じていたこともあり、「自分としてはああいう形で打ててよかった。(新井)良太が打ったし、チームとして勝ててよかったよ」。三塁ベンチ前ではナインと力を込めたハイタッチ。うっぷんを晴らすように、感情を爆発させた。
この一発で10球団から本塁打を記録、一発を放っていないのは日本ハムだけとなった。来日1年目に11球団から本塁打を放ったのは過去2人だけ。達成すれば阪神では初めてとなる。
「できればいいね。でも、意識し過ぎると力が入るからリラックスして、打席でベストを尽くしたいと思う」。今季は開幕から27試合連続出塁で、球団の外国人の連続試合出塁記録を更新。新たな快挙に意欲を見せた。
3打点を積み上げて、セ・リーグ打点トップの広島・エルドレッドとは1差となった。主砲が打点を挙げるほど、チームは勢いづく。主役は新井良に譲ったが、ゴメスの奮起なくして劇的勝利はなかった。5回、中越えに逆転