マートン1カ月ぶり弾!不調脱出へ光
「交流戦、西武3-2阪神」(14日、西武ド)
歓喜も一瞬だった。阪神は1点を追う六回、マット・マートン外野手(32)の自身22試合ぶりとなる左越えソロで同点に追い付いたが、直後に勝ち越されて、西武戦3連敗となった。これで首位・巨人とのゲーム差は今季最大の4・5。これ以上、引き離されるわけにはいかない。
久々の快音だった。マートンが95打席ぶりの8号ソロ。一時は同点となる一発で、一塁スタンドから右翼席までを黄色く染めたファンを沸かせた。
1点を追う六回2死だった。フルカウントからの8球目。菊池の内角チェンジアップを高々と打ち上げた。
「完璧というよりは、ちょっと(芯から)ずれていた感触だったね。打った瞬間は本塁打とは分からなかった」
スイングした直後に一度、下を向いて走りだしたように、手応えはよくなかった。それでも打球は伸び続けた。栗山が左翼フェンスに張り付き、ジャンプして差し出したグラブの上を越え、ギリギリで左翼席へ到達した。
5月14日の広島戦(米子)以来22試合ぶりの一発。この一打を完全復活への糸口にしたい。
1カ月前は打率・350前後を維持していたが、交流戦に入って急降下。1日の日本ハム戦では球審の判定に不満を訴えて無気力プレーで交代させられたように、精神面の不安定さもあり、打率・310まで落ち込んだ。
8日のソフトバンク戦での4安打など復調の兆しはある。「最近は自分としてはいい状態のスイングが続いていた。この状態を続けていきたい」と話す。
ただ、九回無死は高橋の外角低めの直球で見逃し三振に倒れると、しばらく打席に立ったままで、判定に不満そうな表情を見せた。打席を出ると、津川球審に向けて言葉を発し、不服そうに一塁ベンチに戻った。
依然として好調時には見せない姿を時折、見せる時がある。不安定な時こそ、結果が何よりの良薬となる。1カ月ぶりの快音を、“安定飛行”へのきっかけにしたい。