「交流戦、阪神０-４楽天」（２１日、甲子園）

　危機感が阪神・大和の体を突き動かしていた。結果を出さなければ待ち受ける打順降格、スタメン落ち‐。則本から放った２安打は、２番のポジションを死守しようとする意地の表れだった。

　「この前の試合で２番を外れたので、戻ったときに結果を出さないとまた外される。それだけです」と語った。１８日の日本ハム戦で起用された打順は９番。降格に奮起して２安打をマークしたからこそ、このゲームが重要だった。

　初回、１死から則本のツーシームを強く中前へはじき返した。直後に二盗を決めてチャンスメークを果たすと、六回には追い込まれながらも「力負けしないように」と、１５０キロの直球をしっかりたたいて痛烈に右前へ運んだ。

　２試合連続のマルチ安打は実に開幕カードの巨人戦以来。これまでも固め打ちをすることはあったが、次の試合は無安打に終わっていた。１８日の日本ハム戦は大谷からチーム唯一の安打を放ち、この試合は則本から安打。内容的にも今後の自信につながる。

　２番・大和が奮起すれば、打線は必ずいい形で回っていく。２試合連続完封負けの屈辱を払しょくするためにも、大和が波に乗っていけるかがカギを握っている。