和田虎デッドライン寸前…ついに借金1

 「阪神1‐2中日」(28日、甲子園)

 春先の強い虎はどこへ行った。阪神は再三の好機を生かせず、引き分けを挟んで今季2度目の4連敗。ついに勝率5割を割り込み、4月9日以来の借金1となった。これで首位・巨人とは今季最大の6・5ゲーム差。4位・中日にゲーム差なし、勝率わずか2毛差まで迫られた。このままズルズルと引き下がってしまうのか。和田阪神よ、意地を見せてくれ。

 歓喜を待ちわびた聖地の空気が一変した。1点を追った最終回。一打同点の1死一、二塁。代打・関本。前夜、執念の同点適時打を放った背番号3。期待がため息に移り変わった遊ゴロ併殺。タテジマが失意に包まれた。

 数多くの好機が存在した。得点圏に走者を送り込んだのが5度。だが…。得点はゴメスの同点打による1点のみ。「合うバッターと合わないバッターが、はっきりしていた」と和田監督。拙攻を繰り返した前夜の再現VTRを見るかのように、力ない打球が続いた。

 「ピッチャーが踏ん張っていただけにね…。乗り切れないというか…。辛抱するしかないね」。消え入りそうなトーン。当然、歯切れも悪い。7回1失点と好投した岩崎に勝利を届けられなかった打線への嘆きが唇を伝った。

 1番に西岡を据え、6番に福留を置いたリーグ戦再開後の2試合。「明日からこれで行くんだというものを見せる」と不退転の決意をオーダーに示したが、皮肉にも勝利に直結しない現実。もどかしさが募る。

 懸案も解消できない。先発を継いだ2番手が失点を重ねる現状。前夜は呉昇桓が一時は勝ち越しとなるソロを被弾し、一夜明けで福原が決勝打を許した。9勝15敗と大きく負け越した交流戦中の悪い流れを引きずっているような戦況だ。

 引き分けを挟んで今季2度目の4連敗。最大9を数えた貯金を使い果たし、ついに勝率5割を割り込んだ。4月9日以来となる借金生活。辛うじて3位をキープしているが、4位・中日にゲーム差なしに迫られ、Bクラス転落の窮地だ。

 「ゲーム自体は壊してないんで。なんとか踏みとどまって、上がっていけるように」。確かに接戦を演じてはいる。しかし、結果は1敗1分け。首位に君臨する宿敵・巨人との差を一向に詰めることはできていない。ペナントの折り返しはまだ先だが、9年ぶりのリーグ制覇を目標に描くならば、デッドライン寸前。正念場だ。

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