猛虎打線や!初回打者一巡で一挙7点

 「阪神12‐6ヤクルト」(1日、倉敷)

 阪神・関川打撃コーチが「ふ~」と息を吐きながら球場を出てきた。「今夜は、久しぶりにゆっくり眠れると思います」。蒸し暑い、無風の倉敷で連敗を脱出。攻撃陣を任される担当者は、13安打12得点の猛打逆転勝利に肩をなで下ろし、大歓声を浴びながらバスに乗り込んだ。

 よ~いどんで、2点を失った。負の連鎖は続くのか…。リーグ戦再開とともに復活した西岡がスタメンから消えたこともあり、連敗中のネガティブな空気が漂った。

 もう負けられない。この危機感が、反発力を生んだ。初回。上本が立ち上がりの石川を攻め左前へはじき返すと、次打者への初球でいきなりスタートを切った。「10安打で2点しか取れないこともあった。もう一つ先の塁を取ろうと。理想的な点の取り方ができた」と関川コーチ。そのタクトに応えようと、大和が左前に運んだ。

 正面への速い打球で三進はならなかったが、躍動感が「打」に「線」を呼びこんだ。続く鳥谷の右前打で満塁とし、ゴメスの右犠飛で1‐2。さらにマートンが引っ張った打球を遊撃手がはじき、左翼へ転がる間に同点に追いついた。

 ラッキーも味方につけた。1死二、三塁で新井が外角低めのシンカーをゴロで中前へはじき返すと、上田がまさかの後逸。勝ち越しの2走者を迎え入れ、イケイケの走塁で三塁へ滑り込んだ。「どんどん振っていこうと思っていたから。いいところで打てて良かった」。西岡の欠場でスタメン復帰したお兄ちゃんが即、いい仕事で殊勲者になった。

 福留も適時打で続き、梅野の弾丸アーチも飛び出した。この回一挙、7点。はね返したる!の気概が打線噴火をもたらした。眠れない夜を乗り越え、虎が7月反攻へ、リスタートを切った。

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