マートン起死回生弾!虎3連勝で貯金1

 「DeNA2‐3阪神」(4日、静岡)

 貯金復活や!阪神が執念の逆転勝ちで、4月24日の中日戦から同26日のDeNA戦以来となる3連勝をマークした。六回、マット・マートン外野手(32)が左翼席へ同点の9号2ランを放つと、八回には関本賢太郎内野手(35)が右翼に決勝の犠飛を放った。チーム8年ぶりとなる静岡での試合で、虎党を歓喜させた。

 完璧に捉えた白球が、伝説の地に舞った。静岡・草薙球場の夜空に描かれた美しい放物線‐。完璧な手応えを両手に残したマートンは、ゆっくりと一塁へ歩き出した。試合の流れを一気にひっくり返す同点2ランが、虎党で埋め尽くした左翼席中段へと消えていった。

 井納が投じた唯一の失投だったかもしれない。立ち上がりから五回までわずか1安打。2点を先行され、重苦しい雰囲気が漂っていた六回だった。

 2死一塁で迎えた第3打席。その初球、134キロのフォークが落ちず、半速球となって浮いた。“待ってました”と言わんばかりに、バットの真芯で捉えた。「とにかく目の前に来たボールをしっかりたたくことだけを意識した」とミスショットをすることなく、左翼席へたたきこんだ。

 和田監督が「あの一発で流れが来た」と最敬礼した9号同点2ラン。余韻をかみしめながらダイヤモンドを一周した助っ人には、この日、奮起する“材料”があった。

 1934年、伝説の一戦が行われた草薙球場。ベーブ・ルースらメジャーリーガーが初めて来日し、沢村栄治と戦った由緒ある場所だ。「ベーブ・ルースは僕らにとってもレジェンド。ルー・ゲーリッグ、テッド・ウィリアムス、ミッキー・マントル。野球を始めたとき、その存在を両親から教えてもらった」とマートンは言う。

 その中でもプロ野球選手として、忘れられない話がある。「ベーブ・ルースはもはや野球選手の域を越えた存在だったと。球場に来た全員が、彼の一挙手一投足に注目していた」。祖父の代から伝えられてきたエピソードを思い描きながら打席に立っている。

 ファンに夢と希望を与え、愛するチームに勝利をもたらす存在であるために‐。4月以来の3連勝、そして待望の貯金に「大きい勝利。投手が頑張っていた中で勝つだけの点が取れた」と力を込めた。伝説の地で描いたアーチ。ベーブ・ルースの意思を受け継ぐ助っ人が、虎に価値ある1勝をもたらした。

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