ゴメスV打&トドメ弾!猛爆の主役や
「巨人5‐12阪神」(11日、東京ド)
頼もしい。阪神のマウロ・ゴメス内野手(29)が自身2試合連続となる左越え16号2ランを含む、3安打3打点をマークした。これで今季71打点。好調な4番に引っ張られるように、打線も4試合連続2桁安打となる16安打で12得点。G投手陣をものの見事に粉砕した。
最愛の家族へささげる一発だ。東京ドームに乾いた打球音が響いた。ゴメスはゆっくりダイヤモンドを1周。ベンチ前では小躍りするようにハイタッチを交わし、最後列で待つ今成と決めポーズ「コカンセツ」を決めた。
「打った瞬間はどうかなあと思ったんだけど、東京ドームだから入ったのかな。神様に感謝したいね」
ゴメスはひげ面に笑みを浮かべ喜びに浸った。場面は4点リードの七回だ。2死一塁から3番手土田の2球目を捉えた。リードを6点に広げる2ランは今季3度目の2試合連発。「あの一発が効いた」と和田監督がたたえた特大の16号が8連勝を大きく引き寄せた。
決勝点も主砲のバットから生まれた。2‐2の六回、無死一、三塁から大竹のチェンジアップを捉え左前へ。「自分がかえすというよりも、後ろへつないでいくつもりでコンパクトな打撃を意識していたことがいい結果につながったんじゃないかな」。状況に応じた打撃ができるのが、この男の強み。つなぎの意識で勝ち越し劇を呼び込んだ。
ホテルでテレビ観戦した家族へ、最高のプレゼントとなった。前日10日に妻と今年1月に誕生した長女を連れて東京入りした。前夜はさっそく家族3人でステーキレストランへ。「すごくおいしかったよ。いい時間を過ごせたね」。家族から新たなパワーをもらってこの夜の戦いに臨んだ。
家族が来日してから計3試合で11打数7安打2本塁打。さらに、伝統の一戦に強い。巨人戦では39打数14安打で打率は・359だ。「自分としては対戦相手がどこでもベストを尽くすだけだよ」。そう穏やかに語ったゴメス。前半戦最後の天王山の初戦はこれ以上ないスタートを切った。最高の支えを得た4番のバットがチームを勝利に導く。