阪神梅野外し 連勝8で止まる
「巨人5‐0阪神」(12日、東京ド)
天敵・杉内の前に2安打完封負けで7月初黒星。阪神の連勝は8で止まった。快進撃を攻守で支えたドラフト4位・梅野隆太郎捕手(23)=福岡大=は欠場。和田豊監督(51)は「チーム事情」と多くを語ろうとはしなかった。幸い大きな故障ではなさそう。ならば、きょう13日、巨人に勝ち越して、再進撃へつなげるだけだ。
破竹の連勝街道が止まった。4試合連続2桁安打で8連勝をいざなってきた猛虎打線が、敵地の海底深くに沈んだ。わずか2安打で今季6度目の完封負け。首位・巨人とのゲーム差は再び4・5に開き、3位転落だ。
絶好機は最後まで訪れなかった。1点を追う四回、無死一塁から、九回に代打・関本が四球を選ぶまで、16人連続で出塁を阻まれた。試合の行方を占う次の1点を先に奪われ、劣勢をはね返すことなく終幕を迎えた。
「ほとんどのバッターがタイミングを取れてなかったね。かなり球の切れがあったんじゃないかな。もともと球離れの遅くて、タイミングが取りづらいピッチャーなんだけどね」。勝利を喜ぶG党の歓声が耳に届く中での会見。和田監督は素直に完敗を受け入れた。
16安打、12得点の猛爆でカード初戦を制した昨夜の再現は未遂に終わった。「1、2番が出て、クリーンアップに回すことが1回しかできなかったから」。六回の攻撃前にはベンチ前で円陣を組み、杉内攻略への策を授け、士気を高めたが、悲しいかな不発に終わった。
スタメンに異変があった。若さと強気のリードで8連勝の立役者となっていた梅野に代え、鶴岡を先発起用した。「チーム事情も含めてね。いつでも出られる状態ではあったけど」。故障、疲労、相性…。指揮官は多くを語ろうとはしなかったが、結果として裏の目を招いた。
和田監督が何よりも問題視したのは初回の守備だ。左中間を割った先頭・坂本の二塁打。打球がフェンスに直撃した高さは手の届く位置だったが、マートンと大和が譲り合う格好になった。「最初のバッターのお見合いがね。あれは捕ってやらないと」。先制点を与える起点となった呼吸の乱れを嘆いた。
悔やんでも時計の針は巻き戻せない。「いつかは止まるものだけど、止まった後が大事だから」。虎将が声を張った。カード勝ち越しがかかる3連戦最終戦。再進撃の始まりとする。