鳥谷10年連続100安打!虎5人目
「中日1-8阪神」(15日、ナゴド)
バットでチームを勢いづけ、グラブで相手に傾きかけた流れを止めた。阪神・鳥谷が球団史上5人目の10年連続シーズン100安打を決勝6号3ランで達成。守備でも美技で藤浪の完投勝利を後押しした。
試合開始からわずか10分後。鼓膜を激しく振るわせる打球音を響かせた。初回無死一、二塁。左足に体重を残した鋭い軸回転で、雄太の内角直球をはじき返した。
「チャンスだったのでどんどん振っていこうと思っていた。抜けてくれと思った」
ナゴヤドームでは09年8月5日以来5年ぶりとなる一発を、右中間席の最深部へたたき込んだ。和田監督は「あれは万人が褒めるところ」。前夜の逆転負けの流れを払しょくする先制弾に、最大級の賛辞を送った。
守備でも魅せた。六回2死二塁。和田の二遊間への強いゴロに、左腕を目いっぱい伸ばして捕球すると、体を1回転させて一塁へ送球。大量リードを奪った後とはいえ、4番の安打性の打球を止めたことで、勝利を確かなものにした。
前半戦は残り1試合となった。遊撃でフルイニング出場を続けるだけでも負担は大きいが、主将としての役割も忘れない。6月12日のロッテ戦。試合終盤に不調でスタメンを外れた大和の横に座り、身ぶり手ぶりを交えた打撃の助言を送った。「細かいことではないですけどね」と謙遜するが、チーム状況を冷静に見つめ、逆襲に欠かせない後輩を後押しした。
自身は交流戦後に右膝の痛みを訴え、6月24日の全体練習を休んだ。まだ万全ではないという。それでもケアを続けながら日々、グラウンドに立っている。「あしたも何とか勝てるようにしたい」。前半戦最終戦。大黒柱が後半戦にはずみをつける快勝へ導く。