鳥谷“吉兆”虎V05年も西武Dで2安打
「オールスター・第1戦、全パ0‐7全セ」(18日、西武ド)
マツダオールスター2014は第1戦を行い、全セが7‐0で全パを下した。全セの「3番・遊撃」でスタメン出場した鳥谷敬内野手(33)は、三回に中前適時打で球宴初打点。五回にも右翼フェンス直撃の二塁打と気を吐いた。MVPは全セで3安打4打点のブラッド・エルドレッド内野手(34)が獲得した。
胸のキャプテンマークが弾む。スターぞろいの夢舞台でも、輝きは失われない。ファン投票での選出に応えた姿に「予感」すら漂った。意外?でもあるオールスター初打点も記録した、2安打の活躍。鳥谷が魅せた。
「シーズンと違って、打席で何も考えずに立てるのはなかなかないので、どんどんいきました」
三回だ。菊池の適時打で1点を先制し、なおも2死一、二塁の好機だった。「打席に立つからには打ちたいと思っているので良かったです」。追い込まれながらも西の4球目を逆らうことなくはじき返すと、二走・谷繁が2点目のホームを踏む中前適時打となった。
今回で3年連続5度目の出場で、昨年まで通算10試合で23打数5安打。打率・217で打点と本塁打がゼロだった中での初打点に。さらに五回は、1死一塁から右翼フェンス直撃の二塁打を放った。
今季は、ここまでリーグ5位の打率・319と好調をキープ。現在2位のチームをけん引する。球界を代表する遊撃手でも「出るからにはしっかりしたプレーをしないと」と話す。球宴に対するアプローチは、初出場の時から変わっていない。
幼少期を過ごした東京・羽村市から近い西武ドームの球宴は、初出場の05年以来の舞台だ。9年前は「8番・遊撃」でスタメン出場。初打席で西武・松坂(現メッツ)から初安打となる右前打を放つなど、2安打を記録した。
当時は「これが今後にもつながると思います」と振り返った記念の夜。この日は「(松坂から)打ったのは覚えてますけど(細かく)覚えてない」と話した。おぼろげであっても、あの時以来のオールスターでの西武ドームで、再びの2安打を刻んだのは確かだ。
遠ざかる美酒の記憶と不思議と重なり合う。「地元で打てて良かったです」。05年は球宴初出場だけでなく、自身初のリーグ優勝も経験した一年でもあった。「吉兆」とも思える夢舞台での躍動を追い風に、悲願成就を胸に後半戦も突き進む。