藤浪156キロ!聖地で名勝負数え唄

 「オールスター・第2戦、全セ6-12全パ」(19日、甲子園)

 マツダオールスターゲーム2014は19日、甲子園で第2戦が行われ、全セは阪神・藤浪晋太郎投手(20)が球宴初先発。2回4失点ながら、自己最速タイの156キロをマークした。投げ合った全パの日本ハム・大谷翔平投手(20)の衝撃の162キロには及ばなかったが、聖地の大観衆を沸かせた。

 笑うしかなかった。打たれた瞬間、藤浪は白球の行く先を確信した。「マジか…」。マウンドでつぶやいた。打球はどよめきとともに左翼席中段へ突き刺さった。初回、1点を失ってなおも2死一、二塁からペーニャに特大3ランを浴びた。

 「今まで打たれた中で一番飛んだと思う。打たれた瞬間、いったと思いました」

 高校時代からしのぎを削る大谷との夢舞台での投げ合い。大歓声に迎えられ、甲子園のマウンドに立った。ファンの期待を背負い、柳田と真っ向勝負。初球153キロの直球で空振りを奪うと2球目も154キロ。3球目は自己最速タイの156キロを計測した。フルカウントから左前へはじき返されたが、力勝負で聖地を沸かせた。球宴の対戦を心待ちにしていた糸井との対戦は中前適時打されたが、153キロでバットを真っ二つにへし折った。

 二回は無失点に抑えたが、球宴2度目の登板は2回4安打4失点1奪三振で初黒星。聖地凱旋登板はほろ苦い結果に。それでも全38球のうち変化球は4球だけ。大谷の162キロには「異次元」と脱帽したが、自身も150キロ超連発で魅了した。

 「パフォーマンスは良くなかったですが、オールスター独特の雰囲気を感じられた。野球の聖地でオールスターができる喜びをかみしめて投げました」

 プロ初完投を果たした15日の中日戦から中3日。プロ最多143球の影響が心配されていた。後半戦もローテの軸として計算する中西投手コーチからは「ケガだけはするな。投球フォームのバランスだけを考えて投げてこい」と言われ送り出された。移動した17日には都内の治療院で体をメンテナンス。球宴先発と後半戦に向けてきっちり仕上げてきた。

 「何かファンサービスできればと思って、自分から大谷くんに提案しました」。試合前は大谷とのキャッチボールでファンを楽しませた。ベンチでは前田や菅野と野球談議に花を咲かせ、「教えてもらったことを後半戦に生かしていきたい」と収穫を口にした。球宴2日間をたっぷり満喫。貴重な経験を後半戦の戦いにつなげる。

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